2009年08月28日
「くすりと私」 (三重県・44歳 女性)
医者と薬は苦手である。幸いなことに、生まれつき丈夫で、小学校、中学校と無遅刻、無欠席で過ごし、高校も2日、風邪で休んだだけである。社会人になってからも、大きな病気をすることもなく、今に至っている。
医者や薬の世話になる機会が少なかったせいか、自分の中で人間の自然治癒能力を過大評価する傾向が生まれ、少々の風邪ならば、安静にしていれば治癒すると、勝手に思い込むようになった。
しかし、10年ほど前から、年に一度、薬に頼らざるをえない季節ができた。スギ花粉、ヒノキ花粉が飛び交う春、爆発的な連続したくしゃみと、とめどなく流れる鼻水、悲しくもないのに涙腺が壊れたかと思うほど湧き出る涙に悩まされるようになった。 花粉をできるだけ吸い込まないようにマスクをしたり、目薬をさしたり、うがいをしたりするが、たいした効果もなく何も手につかない状態となった。
発症してしばらくは、それでも医者にも行かず、薬も飲まず、頑張っていたが、症状は改善されず、遂に医者に駆け込み、薬を処方してもらった。処方してもらった薬を飲むと、完治はしないものの症状は格段に軽減され、なんとか生活に大きな支障がないレベルとなった。
それ以来、花粉の季節になると、花粉症の薬を求め、医者の門を叩くようになった。花粉症の薬は、私が日常生活を送るためになくてはならないものとなった。
最近になり、友人の何人かに身体に異常が見つかり、通院、入院、手術となったという話を聞くようになった。 そろそろ四十代も半ば。長年の身体に強いた無理のしわ寄せが出てくる時期なのであろうか。
そういえば、最近は、風邪をひいてもなかなか治らず、放置していたためひどくなり、しぶしぶ行った医者では、嫌いな注射、点滴といった措置がとられ、山ほどの薬を処方されるという悪循環もあった。
やはり、早めの治療が大切ということであろうか。
確かに今は、新型インフルエンザが、人間の心の隙間を狙う悪魔のように、鎮まったと思ったら、猛威を奮うという繰り返しをしている。手洗い、うがい、マスクの着用等の予防も大切だが、身体に異常を感じたら、早めに医者に行き、適切な治療、薬の投与を行うことが、自分の身を守ることかもしれない。
医者や薬が嫌いなら、せめて早期発見に努めてくれと、主人に言われ、先日、人間ドッグに行ってきた。さながら、市場に売られる牛の気分であったが、健康に自信があっても、病魔は知らない間に身体を蝕んでいることもある。
身体に異常がないことを願いながら、検査結果を待っているが、異常が見つかれば、したり顔の主人に「そろそろ医者嫌い、薬嫌いを卒業しなさい」と、言われるに違いない。
医者も薬も日常生活を送るためには、うまく付き合っていかなければいけないものかもしれない。

