2009年08月31日

作文・応募作品 「わたしと薬」  (愛知県・34歳 女性)

拝啓 チアマゾール様

 私とあなたが初めて逢ってからもうじき10年が経ちますね。思えばバセドー病の症状が安定していなかった最初の頃は、お医者様からいただいたあなたを毎食後2錠ずつ飲んでいました。
 今から思えばすごい量のあなたを私は摂取していたのですね。そうして、旅行に行く時も、試験を受けに行く時も、出張に行く時も、どんな時でも私はあなたを持ち歩きましたよね。今でこそ、症状も落ちついて、一日一錠という摂取量がひとつの目安になっていますが、あの頃は本当に大変で、量を多く飲みすぎたら飲みすぎたで、体調が悪くなり、鬱症状も出たりと、精神的にもとても辛い日々が続きました。そして、少し症状が安定したからと、量を減らしてみると、とたんにまた体調が悪くなって、動悸や息切れ、眼球突出等々バセドー病特有の症状に悩まされました。
 時に、効きすぎるあなたを恨んだり、また逆に、あなたのおかげで毎日一応日常生活を送ることができることに感謝したりもしましたね。私にとって日々の生活を快適に、そして健康で前向きな気持ちで過ごすことができるかどうかは、あなたとの適度な距離をどのように保つかにかかっていたといっても過言ではありません。
 初めて摂取してから10年が経とうとしている今、あなたは私にとって最も身近な薬となり、適度な距離の保ち方もわかってきて、今では毎日を共に戦う戦友のような気持ちさえわいてきています。私が日々平穏に暮らしていけるのは、間違いなくあなたがいてくれるからです。ありがとう。そして、これからも毎日の戦友として、どうぞよろしくお願いします。

敬具