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鹿児島県下で脊椎内視鏡手術の
技術を受け継ぎ、発展させていく


公益財団法人昭和会
今給黎総合病院
 
みやぐち・ふみひろ
整形外科・リハビリテーション科
主任部長 宮口 文宏 先生
 
【経歴】
日本整形外科学会認定整形外科専門医ほか。
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技術に感銘を受け脊椎内視鏡手術の道へ

 今給黎総合病院において、小さな切開から椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を治療できる脊椎内視鏡手術に注力している宮口文宏医師。現在でこそ、整形外科医として日々数多くの患者を診ているが、高校生の時に志望していたのは医学部ではなく、工学部だった。「高校では理科系を専攻し、私立大学の工学部へ進学することを考えていました。ただ、そうした志望を抱いていた私に対し、親は地元の国立大学くらいは受験するようにと言ってきました。それで受験したところ、医学部に合格できたのです」。そのような経緯もあり、医学部卒業後、進む診療科として整形外科を選んだのも、骨・関節が連携して動く臓器であるということで、工学部系・機械系との親和性を感じたからだという。
 
 そして、脊椎内視鏡下手術に出会ったのは、鹿児島大学病院の整形外科医局で抄読会(英語論文を選び、他の出席者に分かりやすく発表する会)に参加した時だ。「私が発表で選んだのは内視鏡視下腰椎後方除圧術の論文でした。脊柱管狭窄症に対して2㌢の切開で済み、しかも背骨を挟んで進入方向の反対側にある病変まで治療できるという技術に感銘を受けたのです」として、発表後すぐにこの術式を取り入れていくことを考えていった。
 
 

自身も脊椎内視鏡手術の発展・普及に努める

 「所詮1人の医師だけで学ぶ量には限界がある」と、独りよがりの考えを避けつつ、指導に携わった先輩の意見に耳を傾けながら技術を高めてきたという宮口医師。脊椎内視鏡手術を積極的に行うようになり、情報の提供という観点からも利点を感じてきた。「あたかも『ミクロ決死隊』のように、わずか16㍉径の術野を画面いっぱいに拡大するため、第三者でも術者の目線と同じように見ることができます。それを生かし、看護師や学生に対しても詳細に指導できるのです」
 
 今後も、鹿児島県で脊椎内視鏡手術のさらなる発展のために尽力していくという。「今までの諸先輩方の治療方法を受け継ぎ、発展させていくという『承前啓後』の精神で、術式の普及に努めると共に、私自身でもさらに一歩進んだ治療を取り入れていきたいと考えています」

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