敷居の低い医療機関であることを心がけ、心の病に悩む地域住民を受け入れる 【ながうしクリニック】 (千葉県佐倉市)

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ながうしクリニック
院長
長牛 慶順
ながうし・やすのり●東京女子医科大学病院、
武蔵野赤十字病院、しのだの森ホスピタル、
千葉県精神科医療センターを経て現職。
日本精神神経学会認定精神科専門医。
 
 
 

無料相談の実施など敷居の低さを大切にする

現代社会では、うつ病に代表される適応障害、小児・成人の発達障害、パニック障害や強迫性障害、あがり症、不眠症などの精神疾患に悩む人が増え続けている。休職や不登校・引きこもり、家事・育児への悪影響などを引き起こしかねない、これらの疾患の治療を通じ、地域に貢献しているのが、2014年7月に開院した、ながうしクリニックだ。
 
今なお、心療内科への抵抗がある人は少なくない。つらい状況になって、やっと来院するケースさえあるのが現状だ。それを防ぐためにも、同院では気軽に来院できる医療機関であることを心がけてきたという。「例えば、眠れないという理由で来院して頂いても構いません。その背後に色々な病気がある場合も多いのですから」と語る長牛慶順院長。一環として同院では医師に相談すべきか迷ったり、抵抗があったりする内容を気軽に話せるよう、看護師による無料相談も提供。ここで本人、さらには家族からの相談も受け入れ、身体・心理検査からカウンセリングにつなげていく場合も多いという。
 
加えて、患者が通院を続けるモチベーションの維持にも気を配る。「症状の重い方が初めて来院された場合、安心できる雰囲気の中、無理に治療の話をせずに趣味の話などをすることもあります」といったコミュニケーションの配慮もその一例だ。他に、更年期障害やうつ病の治療でも用いられる、プラセンタ注射の提供など、通院のきっかけを増やす試みも行っている。「プラセンタ注射だけを受けに定期的に来院される女性もいらっしゃいます。その中で効果判定も含めて適宜お話をする。こうした流れで良くなることも見られるのです」
 

発症の原因も重視し、多くの治療法を提供

患者の心理的な負担を減らそうとする考えは、同院で特に患者の多い、適応障害の治療にも表れている。同院では、対話を通じて物事の受け取り方を改善する認知行動療法や、太陽光と同等の光を照射して体内時計や生体リズムを整える光療法など、治療の選択肢を数多く揃えており、患者が不安を抱きがちな薬物療法だけに頼ることがない。「薬をどうしても使わざるを得ない方もいます。ただ、その際もまずはできる限り他の治療をした上で、あくまで補助的なものとして処方するようにしています」と長牛院長。たとえ薬物療法を行う場合も、抗うつ薬や抗不安薬のような西洋薬だけでなく、漢方薬も必要に応じて提供しているという。また、運動療法を積極的に勧めているのも特徴だ。それが実際の治療につながるほか、うつ病の要因の1つとして考えられている生活習慣病の予防にも有用だという。
 
さらに、長牛院長は発症の原因となった環境の改善も重視している。「原因を改善できなければ、どうしても回復が見込めなかったり、遅れたりしてしまいます。そのために周りの協力をどう得ていくかが、医師として力を入れるべき点だと言えます」。そのために「家族に長牛院長の意見をまとめたメモを渡す」「診断書で会社に報告する」「患者の同意のもとで上司と話し合う」など、一人ひとりに合わせた手段を選択していく。


広い吹き抜けの相談室。防音になっており、声が漏れる心配もない

広い吹き抜けの相談室。防音になっており、声が漏れる心配もない

 
広く、明るいエントランスでゆったり待つことができる

広く、明るいエントランスでゆったり待つことができる

地域のかかりつけ医として家族まで含めた支援を

体への負担が少なく、脳内の神経伝達物質の回復にもつながる光療法

体への負担が少なく、脳内の神経伝達物質の回復にもつながる光療法


長牛院長は、敷居の低い医療の提供を通じ、地域に根ざしたかかりつけ医であることを志している。その上で、「現代社会では、家族全員が何らかの悩みを抱えているケースも増えています。そこに積極的に関わっていくのが、かかりつけ医の使命だと考えています」と、来院した患者の家族まで含めた支援を目指しているという。
 
もともと精神疾患からの回復には、家族の応援が大切になる。その実現にもつながる家族ぐるみでの治療が、来院した患者にとっても大きなメリットになるだろう。
 
「小中学生の方からは『面白い人がいるな』、年配の方からは『話せる息子のような人だな』など、まずは気軽に話せる人だと思ってもらえるよう心がけています」。そう語る長牛院長の診療は明るい雰囲気を心がけ、時には笑いも飛び交っている。こうした診療を通じ、同院では重症化の防止や早期治療に力を尽くしている。

Information
1〒285-0854 千葉県佐倉市上座794-2
TEL.043-308-5300
FAX.043-308-5180
http://www.n-ushicli.com/
【診療科目】心療内科、精神科
【診療時間】月~水・金・土 9:00~13:00/14:00~18:00
木・日 9:00~13:00
※木・日は完全予約制
【休診日】木午後・日午後・祝(GW、年末年始等)

※自由診療:プラセンタ注射1回1500〜2000円