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脳神経外科と整形外科
両方の視点を生かし
頸椎椎弓形成術などの幅広い手術を実践

【交野病院】(大阪府交野市)

左から医長 佐々木伸洋、医長 眞鍋博明、 院長 寳子丸稔、医長 福田美雪、医長 上田茂雄、医長 黒田昌之

左から医長 佐々木伸洋、医長 眞鍋博明、院長 寳子丸稔、
医長 福田美雪、医長 上田茂雄、医長 黒田昌之


社会医療法人 信愛会グループ
交野病院
 
 

両科の得意分野・利点を生かし幅広い治療を提供する

 大阪府北東部の交野市に位置する交野病院では、2015年の新築移転で充実させた設備のもと、脊椎脊髄疾患治療に力を入れてきた。「脊椎脊髄疾患治療では一般的に脳神経外科と整形外科のどちらかが治療に携わります。脳神経外科は神経機能から、整形外科は手足の動きから治療を考えます。両方の医師が揃う当院では、それぞれの視点から診ることが可能です」と語る寳子丸稔院長。
 「脊髄や神経の疾患によって、四肢の末梢に症状が出ることが多いのです。そうなると、整形外科医が四肢を見ただけでは原因に気付かないこともあり得ます。そうした判別が難しい疾患でも、両科で正しい診断・治療を目指していきます」。そう黒田昌之医師が説明するように、同院では両科の医師の連携で、頸椎から胸椎、腰椎までの疾患に幅広く対応。脳神経外科が神経の剥離などの細かな処置、整形外科が骨の固定や移植を得意とするという両科の利点を生かし、適切な治療を選択していく。「スタッフが比較的意見を出しやすいのも当院の特長と言えます。バックグラウンドが違う人が揃う、言わばハイブリッドな環境の中、皆の意見を組み合わせていきます」と眞鍋博明医師は語る。
 
 加えて、治療の際には低侵襲手術の実践を心がけているという。「脊椎脊髄疾患治療の対象となる方の多くは高齢です。年齢で手術適応の有無を区切ることがないよう。短時間かつ負担の少ない手術を目指すことにこだわりを持っています」と強調する上田茂雄医師。その考えのもと、顕微鏡下手術や内視鏡手術などの術式の中からバランスを考慮して手術を構成。神経モニタリングや、術中に立体の診断画像が得られるO-armなど、最新機器も積極的に活用していくという。
 
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頸椎椎弓形成術に注力している

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 こうした技術を生かし、同院では脊柱管狭窄症や脊髄腫瘍など、幅広い疾患の患者を受け入れてきた。中でも、頸部脊柱管狭窄症治療に注力していることが大きな特徴と言える。「頸部脊柱管狭窄症が原因で腰や足に痛み・しびれが出る可能性のあることは案外知られていません。当院では首まできちんと診断した上、ミリ以下の精度で神経を傷つけることのない手術を心がけています」(福田美雪医師)と、正確な診断及び高度な手術を追求してきた結果、脊柱管狭窄の改善を目指す頸椎椎弓形成術においては、313件(2015年1~12月)もの件数を実施。
   
 「多くの件数に携わることでスタッフ皆が手術に慣れ、洗練されていきます。その結果、現在では3㌢程度の皮膚切開かつ1時間程度での手術を目指せる他、問題が起きそうな場合にすぐ気付くことができています」(佐々木伸洋医師)と、経験が信頼性のさらなる向上をもたらしている。また、このようにほぼ毎日というペースで行うことから、1つの病棟に同じ治療を受けた多くの患者が集う。それにより、別の患者を通じて経過を見られることも、治療への安心感につながるだろう。
 
 患者が満足行く治療の実現に力を尽くしてきた結果、口コミで患者も増え続けてきた同院。院内の別の診療科と連携し、人工透析を要する患者や糖尿病患者の手術も手掛ける他、通常よりも難易度が高くなりがちな、過去に手術を行った患者も極力受け入れる。「術前に鬱々としていた方が、術後明るくなるというケースも多いとよく言われる分野です」と寳子丸院長が語るような患者を1人でも多く増やすべく、医師の教育や、より新しい手術機器の研究・開発も積極的に手がけているという。
 
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