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特集記事: 2009年7月31日 [ Q&Aでわかる「いい歯医者」 2009年7月31日 掲載 ]

35年前に渡米してインプラント治療を学び ミニインプラントも日本に初導入する
大村歯科医院 大村 桂 院長

【取材協力】

大村歯科医院 院長

大村 桂 (おおむら かつら)

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大村歯科医院では、35年前からインプラント治療を手がけている。アメリカに渡ってDr.リンコーに師事し、1974年7月から2009年6月までで延べ約1万本のインプラント治療を手がける。また、2002年には入れ歯の安定性を高めるミニインプラントを日本で初めて紹介するなど、インプラント治療における新しい挑戦も行っている。

インプラント治療で Dr.リンコーに師事

大村歯科医院の大村桂院長がインプラント治療と出合ったのは1974年のこと。インプラント治療は、ほとんど誰も知らない頃だが、日本の歯科界では「ホースを持って水をかけ、歯を削るというとんでもない治療だ」と評価はあまり芳しくなかったという。

しかし、大村院長はインプラントという新治療法に興味を持ち、大学図書館で文献をあさった。その結果、アメリカのDr.リンコー(ブレードインプラントの創始者)の3つの論文を探し当て、師事するために渡米した。そのとき、欧米では1966年からブレードインプラントが行われていることがわかった。Dr.リンコーの診療所に2カ月にわたって通い、その後も難症例を抱えて年に7~8回渡米する。

その後、ブレードインプラントで解決できない問題は、骨膜下インプラント、プテリゴイトインプラントと、次々と新しいタイプに挑戦して、アメリカの学会で発表した。

確立されたものを より確実な方法で実践

大村院長によると、Dr.リンコーの思い出で忘れられないのが、「私は私の持っているものすべてを教えた。あなたは教えたことを正しく守ってやりなさい。アレンジする必要はない。もし、やるのならもう一歩進んだ、新しいことに挑戦していきなさい」との言葉だったという。それからは、「患者さんに対してはむちゃをして挑戦しないで、確立されたものをより確実な方法でやろう」というのが歯科治療のモットーになる。

大村歯科医院では、74年7月から09年6月までで約1万本のインプラント治療を行っている。ここ数年は、300~500本で推移している。

大村歯科医院の受付

Dr.リンコーはまた、「日本に帰ったら、私の教えたことを広めなさい」ともいった。このため大村院長は、大村インプラント研究所を併設し、インプラント治療を対象とした日本の歯科医師の育成を推進している。

入れ歯の安定性を高める ミニインプラント

大村院長は、日本で初めてミニインプラントを紹介した歯科医師でもある。02年、兼ねてから知り合いのDr.センダックスからミニインプラントの教えを受け、それを使いやすくするとともに、折れたり取れたりしないよう改良を加え、日本人向けにシステム化した。

ステンドグラスが印象的な待合室

ミニインプラントは、入れ歯の安定性を高める義歯内インプラント治療で、入れ歯が動いて不快感のある方、固いものや歯に付くものを普通に食べたい方、十分にかめないので胃腸が弱い方、入れ歯を気にしないで思いきり会話をしたり、笑ったりしたい方などが対象となるという。

具体的な利点は、入れ歯の安定性を高めるだけでなく、入れ歯の取り外しができ、手術は少量の麻酔で済む。また、歯ぐきを切らないため低侵襲で、腫れることも少ない。値段も低減でき、1回の来院での治療が可能である。

1969年開院の大村歯科医院

歯科保存にこだわらず 次の治療の土壌を残す

もともと歯科の保存治療を手がけてきた大村院長だが、「保存できるものは、できるだけ残そうとしますが、保存できないものをむりに残さないようにしています。というのも、骨をだめにしたりするからで、保存できないものは早めにあきらめて、入れ歯やインプラントといった次の歯科治療の土壌を残すように心がけています」という。治療にあたっては、「患者さんが望むものを、望むようにする」が基本方針で、患者にとっての選択肢の一つがインプラントやミニインプラントというわけだ。

【構成/秋山晴康】

大村 桂(おおむら かつら)

大村歯科医院 院長

1969年、大阪歯科大学大学院を修了し、
同大学病院に勤務し、大村歯科医院を開院。
日本口腔インプラント学会評議員、
京都府歯科医師会インプラント研究会会長、
JACID会長、
MDIミニインプラント研究会副会長

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