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特集記事: 2009年7月31日 [ Q&Aでわかる「いい歯医者」 2009年7月31日 掲載 ]

3DSで予防歯科
日本歯科大学名誉教授 鴨井 久一

【取材協力】

日本歯科大学名誉教授

鴨井 久一 (かもい きゅういち)

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通常の歯磨きでは除去できない むし歯の原因ミュータンス菌

従来、むし歯や歯周病は、歯磨き不足や甘い物の食べ過ぎなどが原因だといわれていました。しかし、甘い物を食べない成人でもむし歯になるのはなぜでしょうか。近年の研究により、むし歯は細菌感染症であることが明らかになりました。

むし歯の原因となるミュータンス菌は、生後まもない赤ちゃんの口の中には存在しません。ところが、歯が生える頃からミュータンス菌が定着します。これは口腔内にミュータンス菌が多い母親が、同じスプーンを使って子どもに食事を与えることで直接感染するといわれています。

進行すると全身疾患にもつながる歯周病

現在、わが国では、成人の約80%が歯周病に罹患しています。歯周病の初期症状である歯肉炎は、3~4歳の幼児からみられます。歯周病は歯ぐきの腫れ、出血をともなう歯肉炎、歯を支える骨などの組織が破壊される歯周炎、さらには活動性に富んだ細長い歯周病菌が血液を介して全身に入り込むと、生体内で免疫、生体防御、炎症などに直接、あるいは間接的に関与する炎症性サイトカインと呼応して全身疾患を引き起こします。今日、歯周病は「心疾患」「肺炎」「糖尿病」「骨粗しょう症」「早産・低体重出産」などと「頭痛」「肩こり」「皮膚炎」などの症状への影響が指摘されています。

専門的な治療を行う歯科医院でのご相談を

従来の歯科治療では、痛みがあれば鎮痛剤、歯ぐきが腫れたら抗生物質の服用が一般的でした。歯周病予防には正しいブラッシングと食後の歯磨きの励行でしたが、歯周病菌は種類が多いため、これらのケアだけでは治らないケースも少なくありません。また、ミュータンス菌は歯の表面に強く付着する頑固な菌で、バイオフィルムという細菌膜を形成するため、通常の歯磨きなどでは除去できません。そこでむし歯や歯周病の治療・予防のために新しく開発された方法が3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)です。

一般的にはまずはじめに口腔内にどれくらいミュータンス菌などの虫歯菌やジンジバリス菌などの代表的な歯周病菌が存在するのか、唾液検査にて調べます。これにより、3DSを行うかの判断をします。次に、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)と呼ばれる専門の機械を使った徹底的な歯面清掃を行います。PMTCにより、薬剤の浸透を妨げるバイオフィルムを破壊し、3DSの効果をより高めることができるからです。その後、さまざまなジェル状の歯科用薬剤を専用のマウスピースの内側に塗り、歯と歯ぐきにかぶせることで残った細菌を退治します。これが3DSです。ジェル剤は歯の隙間まで隅々に行き渡るため、歯肉周辺の細菌を効率的に減らす効果があります。

専用のマウスピースの内側にジェル状の歯科用薬剤塗布する

現在、歯科治療においても、予防の重要性が叫ばれており、3DSのシステムを応用する歯科医師が多くなっており、3DSの普及が進んでいるようです。

鴨井 久一(かもい きゅういち)

日本歯科大学名誉教授

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