歯は一度削ったり抜いたりしてしまうと元に戻すことができない臓器だ。だからこそ、治療前の診査・診断は正確に行いたいもの。高橋デンタルオフィスの高橋仁一院長は、歯科用CTを導入することにより、患者の術前の状態を正確に把握し、綿密な治療計画を立案することに力を入れている。
診査・診断を重視した患者ごとに適切な治療を
高橋デンタルオフィスは歯周病治療を重点にかみ合わせの安定と確保を治療目標としている。30歳以上の約80%が罹患する歯周病(注)は、歯槽骨が破壊されるまで進行するとブラッシングだけでは完治しない。高橋院長は「歯周組織は適切な咬合で育まれる機能的な器官であり、かみ合わせのバランスなしには安定しません」と語る。
歯周病は生活習慣病でもあることから原因が個人個人で違い、オーダーメードの治療を要するという。そのため診査・診断を重視し、全方向から口腔内を検査する歯科用CTなどの検査機器を揃えている。「長期的に最適な判断をするためにも口腔内全体を正確に把握しなければなりません」
従来の歯周病治療は歯肉を切開して歯根に付着した歯石を取り除く切除療法で、歯周組織の再生は期待できなかった。だが、現在は特殊な膜や骨成長因子などを使う歯周組織再生療法が確立している。歯周病などで歯を失った場合も人工歯根を埋めるインプラント治療で対応する。「残った歯に負担をかけずにかみ合わせを再構築できるのがインプラント治療です」と高橋院長。かみ合わせや外観の回復など、全体を見据えた治療に加え、コンピューターガイドシステムによる正確で低侵襲な手術も行う。人工歯根は天然の歯に比べて歯周病への抵抗力が弱いため、歯周病治療が体系化された歯科医院での治療が重要だという。
各分野の知識・技術を用い総合的な治療を提供する
近年では、患者の価値観の変化やQOL(生活の質)の向上などに伴い、高い水準の歯科治療が求められている。高橋院長は患者の要望すべてに高度な治療で対応できるよう、矯正、歯周、補綴、外科など、さまざまな分野の知識を駆使して一人の患者の問題を総合的かつ合理的に解決する方法を取る。これは、インターディシプリナリーアプローチと呼ばれる、欧米で一般的な考え方に基づくものだ。
それを実行するため、矯正治療や歯科麻酔といった専門性の高い分野の治療では専門医を呼んで対応する。それだけではなく、歯科技工士との連携も重視して歯科技工所を医院に併設しているのも特徴だ。治療計画を立てる段階から相談するなど、積極的に歯科技工士と協力していくことで、患者の口腔内により適した被せものなどを作製する。また、感染管理対策にも非常に力を入れており、医科レベルの滅菌消毒が可能な機器を導入して信頼性の高い歯科医院を目指しているという。
「適切な治療を行えば、高い確率でかみ合わせの安定が得られます。あとは定期的に検診を受ければ、口腔内の健康を長期にわたって保てます」と高橋院長は語る。全身の健康のためにも、治療を受ける際には長期的な視点を持って受診し、歯科医師による最大限のサポートを受けられるようにしたい。
(注)厚生労働省「平成17年度歯科疾患実態調査」
【取材/鈴木健太】
高橋 仁一(たかはし まさかず)
高橋デンタルオフィス 院長
1996年東京歯科大学卒業後、千葉歯科医院勤務などを経て2002年に同院を開業







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