武内歯科医院では、むし歯や歯周病をなくす予防ケアに力を入れている。このため、武内博朗院長が開発した除菌システム3DSや、歯の病気を予防するプロのクリーニングPMTCなどの新しい歯科技術を活用した歯科治療を実践している。その根底には、「予防がもっとも良い治療法である」という考えがある。
感染症の原因の細菌を 口の中から取り除く
むし歯や歯周病の多くは特定の細菌が引き起こす感染症で、その原因は歯みがきでは取り切れない、古い細菌の多い歯垢(バイオフィルム)であるという。「その細菌たちを口の外に追い出せば、ほとんどの歯の病気は防げるわけです。健康な歯を保つには、歯科医院での定期的な歯と歯肉のクリーニングが欠かせず、予防がもっとも良い歯科治療であると思います」と武内博朗院長は強調する。
むし歯を根本的に予防 3DSを開発
むし歯の主な原因菌であるミュータンス菌を直接除菌する根本的なむし歯予防法として、武内院長が国立感染症研究所時代の2002年に開発したのが3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)である。
3DSは、ミュータンス菌が歯面にしか定着しないという性質を利用した除菌法で、歯面だけに薬剤を作用させて、むし歯の原因菌を除去する。
この方法は、1.バイオフィルムをPMTC(歯科医や歯科衛生士による専門技術と器具による徹底的な歯の清掃プログラム)などで物理的に破壊する、2.個人別に歯列にフィットしたトレーを用いて薬剤を歯面に集中的に輸送する、の2段階で行う。これにより、唾液に希釈されることなく薬剤を塗布することができ、薬剤を変えれば歯周病関連菌の除去にも応用が可能であるという。
武内院長は、「これからの歯科は『痛くなって受診する』のではなく、『予防ケア処置のために通う』のがポイントになっていくでしょう」と話す。
診療方針として掲げる 侵襲を少なくするMI
武内歯科医院は、神奈川県綾瀬市で1968年に開院し、地域に密着した歯科医院を目指してきた。
「予防」と「メンテナンス」を重視しつつ、診療方針の中心に捉えているのがMI(ミニマルインターベンション)である。これは、病巣のみをできるだけ小さく除去し、健全な歯質を残そうとするもので、「エナメル質は人生の貯金といっても過言ではありません。MIは削る必要のないエナメル質を極力生かそうとする侵襲の少ない治療法です」と武内院長はいう。
【構成/秋山 晴康】
武内 博朗(たけうち ひろあき)
1987年、日本大学歯学部卒業。
91年、横浜市立大学医学研究科大学院終了(医学博士)
後、横浜市立大学医学部附属病院。
93年、ドイツ国立マックスブランク研究所。
95年、ハイデルベルク大学医学部。
96年、横浜市立大学医学部非常勤講師、
国立予防衛生研究所研究員。
99年、国立感染症研究所協力研究員。
2006年、日本大学歯学部兼任講師







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