男女ともに加齢に伴って発症しやすい下肢静脈瘤
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは、足にある静脈に血液が溜(た)まって血管が拡張し、浮き出て見えたり、瘤(こぶ)のようになったりする疾患だ。足の静脈内にある、血液の逆流を防ぐ弁が正常に働かなくなることで発症する。血管が膨れるだけでなく、重みやだるさ、むくみを感じるほか、進行すれば皮膚の炎症や変色、潰瘍を起こすこともある。
「女性の疾患と思われがちですが、年齢が高くなれば誰でも起こりやすくなります」と語るのは、下肢静脈瘤治療を中心に行う四谷・血管クリニックの保坂純郎院長。弁の異常は、立ち仕事に従事している人などに生じやすく、その確率は加齢とともに高まるという。
切開せずに行う血管内レーザー治療
下肢静脈瘤は自然に治らないため、血液が逆流している血管を塞ぐ必要がある。方法は主に、血管をすべて引き抜くストリッピング手術、内部からレーザーを照射して血管を塞ぐ血管内レーザー治療、血管を固める硬化剤を注射する硬化療法の3つ。同院では、症状に応じて各治療を使い分けている。
保坂院長の下、軽度の患者に対する硬化療法や、毎月特定の日に日帰りストリッピング手術も行っているが、特に力を入れているのが血管内レーザー治療だ。「血管内レーザー治療は、レーザーを照射する1mm程度のカテーテルを通すだけで行えます。傷口が目立たないほか、合併症の危険がある人でも治療可能です。さらに、術前術後の検査も含めて1時間と短時間で済み、直後から普段の生活に復帰できます」と利点を挙げる。
血管内治療に携わる放射線科医が行う診断治療
保坂院長は大学病院などで放射線科医として勤務してきており、その経験を治療に生かしている。「本来、血管内治療は、放射線科医が行います。その経験により、治療がむずかしい血管が細い症例でも切開せず治療します」。そのようにして8年前から下肢静脈瘤診療に携わり、今年4月に同院を開院して8月までに約80症例を治療してきたという。
また、放射線科医として診断も重視。超音波検査を用いて血管の状態を詳細に確認し、治療方針を立てている。「超音波検査は短時間で済み、静脈の状態を確認できます。気になる症状があれば、まず検査を受けてください」と語る保坂院長。下肢静脈瘤は、皮膚に異常が出る前に治療すれば回復も早いため、早めの受診が望ましい。
【取材/鈴木 健太】
保坂 純郎(ほさか じゅんろう)
四谷・血管クリニック 院長
1986年、日本医科大学医学部卒業。
同大学付属病院放射線科医局長・講師などを経て、
2009年4月に四谷・血管クリニックを開院。
日本医学放射線学会認定放射線科専門医







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