子どもは未来を担う大切な宝物
成熟した社会では、人々は次世代のことを考えます。目の前の経済のこと、社会のこと、政治のことだけではなく、次世代の素晴らしい子どもたちを育てることが、親や家族だけではなく社会の大きな責任であると考えます。子どもは次世代を担う大切な宝物だからです。子どもを宝物とする思想は私たちの社会全体をよくする考え方でもあります。
しかし子どもは、例えば隣でタバコを吸っている人に苦言を呈することができないように、自分から社会に向かって発言できません。小児科医はそのような子どもに代わって社会に発言する(アドボカシー)責務を負っています。
小児科医の仕事は、子どもの発育・発達を支えること、病気の子どもへ最高の医療を提供すること、障害のある子どもと家族にケア・ネットワークを用意することなど、子どものために、“こころ”と“技術”を尽くすことです。
子どもは、おとなになろうと日々成長している存在です。小児科医は、その成長の過程を熟知し不慣れな母親や家族に適切な助言をしています。ワクチンで予防できる病気は必ずワクチン接種で予防するなど、予防医学を実践しているのが小児科医です。
乳幼児の健診も小児科医の役割ですが、子どもの健康保持、医療提供、介護にはたくさんの職種の方々が関わっています。また、他科の医師との調整を行いながら、子どもに最高の医療を提供できるよう、小児科医は“扇の要”的な役割を果たしています。「子どものために」、これが全ての小児科医の合言葉です。
このような小児科医の中でも、小児医療に関し、一定水準以上の能力を有するものとして(社)日本小児科医学会の認定を受けた医師が「小児科専門医」です。子どもが社会の宝物であるのと同じように、若い小児科医の卵も社会の宝物です。子どもの健康を育み、病気の子どもに対処できる技術とこころを学んでもらうため、私たちは専門医の教育・研修にも力を入れています。
横田 俊平(よこた しゅんぺい)
日本小児科学会 会長
1975年、横浜市立大学医学部卒業。同年同大学小児科特別職。
85年、アメリカ・ノースカロライナ州立大学ラインバーガー癌研究所 免疫遺伝学客員教授などを経て、
98年、横浜市立大学小児科教授。
2003年から同大学大学院医学研究科発生成育小児医療学教授







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