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特集記事: 2009年9月15日 [ AERA別冊 『職場のうつ』 2009年9月15日 掲載 ]

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うつ病の症状と増える患者数

WHO(世界保健機関)の診断基準によると、うつ病は統合失調症など他の精神疾患と区別され、躁うつ病や躁病とともに気分障害に分類されます。うつ病になると気分が落ち込み、あらゆる物事に対する興味を失い、意欲や気力の低下する状態が長く続きます。食欲減退、不眠、極度の倦怠感、無気力、人間関係の拒絶、絶望感などが典型的な症状とされます。その程度や経過は人によってさまざまですが、こうした症状が2週間以上も続くと要注意といわれています。

日本人の自殺死亡者は年間約3万人を数え、その9割以上が何らかの精神疾患にかかっていると推定されており、特に中高年層の自殺者の多くは、うつ病がその背景にあると考えられています。うつ病は「心の風邪」と表現され、決して珍しい病気ではなく、誰もがかかりやすい身近な現代病といえるかもしれません。

日常的なストレスから発症する最近のうつ病

うつ病になりやすいのは、まじめで責任感の強い性格の人に多いといわれます。また、最近では企業による成果主義の導入や職場環境の悪化などが原因で、男女を問わず、働き盛りの世代にうつ病が急増しています。職場での日常的なストレスはしだいに大きな心の負荷となり、心身の健康に影響を与えるようになります。それでも休養せずに無理を続けた結果、うつ病を発症してしまい、会社に行けなくなるといった人が増加しています。

こうした状態に陥らないためには、食欲不振や胃痛、集中力や意欲の低下、いらいらなどのストレスサインを感じたら、自分なりのリラックス方法でストレス解消を図ることが重要です。しかし、本人に自覚がなかったり、病気を認めることに抵抗があったりするなど、うつ病は治療しないまま進行することも多くあります。最初は何となく気分が落ち込むといった軽い症状から始まることが多いのですが、放置しておくと重症化し、自殺に結びつく可能性もありますので、他の疾患と同様に早期発見と早期治療が大切です。

うつ病の治療は専門医療機関の早期受診が重要

うつ病の治療では、抗うつ薬を中心に、抗不安薬と睡眠薬の併用などにより、根気よく治療を続けていくことで十分回復が見込めるといわれています。

また否定的な思考に偏る「認知のゆがみ」を矯正し、柔軟な思考を身に付けるための訓練を行う認知療法も有効です。認知療法と薬物療法を併用することで、うつ病の再発予防効果が高まるといわれています。薬が効かない難治性のものには、両側のこめかみに装着した電極から脳に電気刺激を与える電気けいれん療法があり、近年になって高い治療効果を示しています。また、入院加療が必要になる場合、従来では精神病院や一般病院の精神科病棟しか対応できませんでしたが、最近では「ストレスケア病棟」が登場し、患者が快適な空間でゆったりと静養しながら治療できる専門施設として注目されています。

ささいなことで怒りっぽくなったり、いらいらしたりするのは軽症うつ病の兆候であることも多いといわれます。こじらせないうちに専門医の診察を受けることが大事でしょう。

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