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特集記事: 2009年9月30日 [ 「がんで困ったときに開く本」 2009年9月30日 掲載 ]

見落としがちな婦人科系がんに頼れる 婦人科腫瘍専門医
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子宮、卵巣の悪性腫瘍と良性腫瘍

人の細胞は一定の期間がくると消滅し、新しい細胞に置き換わります。しかし、種々の原因によって細胞が死なずに増殖すると塊(腫れ物)ができます。これを腫瘍といい、他の組織との境界に侵入したり、転移したりして生命を脅かす悪性腫瘍と、そうでない良性腫瘍とがあります。

婦人科で扱う主な臓器は子宮と卵巣です。子宮は骨盤内にある偏平な鶏卵大の臓器で、子宮の下方を子宮頸、上方を子宮体、その内腔を子宮腔といいます。子宮の内側は子宮内膜で覆われています。一方、卵巣は女性ホルモンを産生・分泌したり、排卵を行ったりする臓器で、骨盤内の左右に1個ずつあります。

子宮の良性腫瘍には子宮筋から発生した子宮筋腫があり、悪性腫瘍は子宮がんがあります。子宮がんは頸部に発生する子宮頸がんと体部に発生する子宮体がんに分かれます。卵巣にできる腫瘍には良性の卵巣嚢腫、悪性の卵巣がん、その中間の境界悪性腫瘍があります。

婦人科腫瘍の治療では、たとえば子宮頸がんは、前がん状態などのときには妊娠の可能性を残すための円錐切除術や単純子宮全摘術などの手術を行います。がんが進行していれば子宮全摘術で対処します。最近は、放射線と抗がん剤の同時併用療法が行われています。

子宮筋腫の場合は、子宮全摘術のほか、子宮筋腫核出術、子宮鏡下手術などの手術を施します。新しい治療法としては、鼠径部からカテーテルを挿入し、子宮動脈に詰め物をして血流を遮断することにより筋腫を縮小させる子宮動脈塞栓術が試みられています。

卵巣については、卵巣嚢腫が小さく、症状がほとんどないときは経過観察が一般的です。症状が強いものや腫瘍の大きさが5cm以上になると手術を行います。腫瘍部位のみ摘出する嚢腫核出術、嚢腫が発生した卵巣を摘出する卵巣摘出術、卵巣と卵管を摘出する付属器摘出術で対応します。手術は、開腹式手術と内視鏡を使った腹腔鏡手術とがあり、腹腔鏡手術のほうが体への負担が少ないといえます。卵巣がんは、手術と抗がん剤を併用して行います。

日本婦人科腫瘍学会認定の婦人科腫瘍専門医

日本婦人科腫瘍学会では、婦人科腫瘍に関する十分な専門的知識と技量を有する医師を婦人科腫瘍専門医に認定しています。同学会の前身は、1975年に設立された日本コルポスコピー研究会で、98年に日本婦人科腫瘍学会に改称され、2004年にNPO法人化されました。

婦人科腫瘍専門医は、日本産科婦人科学会の認定する産婦人科専門医を取得した後に、女性性器がんに関する所定の修練を受け、資格試験に合格した医師です。同専門医は、あらゆる女性性器がん、およびその合併症を適切に処置し、他の医師からの診断や相談に対処できなければなりません。また、女性性器がんの手術に精通しているだけでなく、放射線治療や抗がん剤治療などに関する知識と経験を持っている医師でもあります。

【文/秋山 晴康】

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