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特集記事: 2009年9月30日 [ 「がんで困ったときに開く本」 2009年9月30日 掲載 ]

患者に適した薬物療法を見つける がん薬物療法専門医
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がんの三大治療の一つ 点滴や飲み薬で治療する

手術、放射線療法とともに、がんの三大治療法の一つに数えられるのが薬物療法で、点滴や飲み薬でがんを治療します。

薬物療法は、手術後にがんが再発した人、がんが進行して手術や放射線治療ができない人、白血病や悪性リンパ腫のような血液のがんのために手術ができない人などが対象になります。

手術後にがん薬物療法を行うことで、再発する患者が減ったり、手術がむずかしいくらい広がったがん細胞が小さくなったりする患者も増えています。

効果的な薬の開発が進む抗がん剤とホルモン療法

がん薬物療法は、抗がん剤、ホルモン剤、免疫賦活剤(めんえきふかつざい・免疫力を高める薬剤)などを使います。症状を和らげるためのいろいろな薬剤、鎮痛剤、制吐剤なども薬物療法の一つです。

抗がん剤は、作用の仕方や由来などにより、細胞障害性抗がん剤と分子標的治療薬に分かれます。細胞障害性抗がん剤は、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗がん性抗生物質、微小管阻害薬などに分類されます。アルキル化剤や抗がん性抗生物質は、一定の濃度に達すると、作用時間が短くても効果を発揮します。しかし、正常細胞も攻撃してしまうため、薬をより効率良くがん病巣に到達させる研究が行われています。

分子標的治療薬は、がん細胞が持つたんぱく質など、特異性の高い標的を探し出して、その標的に効率よく作用する薬です。

抗がん剤は、「髪の毛が抜ける」「強い吐き気が出る」「細菌に感染しやすくなる」などの副作用が問題となっていましたが、最近は効果的な薬や副作用の少ない薬の開発が進んでいます。

一方、ホルモン療法(内分泌療法)は、ホルモンの分泌や働きを抑えることによって、がん細胞の増殖を抑制し、コントロールしようという治療法です。

薬物療法のほとんどは全身療法ですが、がんが必要とする栄養を送っている血管(栄養動脈)に抗がん剤を注入する「動注療法」という局所療法もあります。

がんには、薬物によく反応するものと、そうでないものがあります。薬物療法によってがんを治すことが可能になるとともに、がんの大きさを小さくすることで、延命効果や痛みなどの症状を和らげることも期待できます。

日本臨床腫瘍学会が認定する がん薬物療法専門医

新しい抗がん剤、ホルモン剤の導入により、薬剤と放射線療法を併用した治療法が実績を上げるとともに、治療法の複雑化が進んでいます。

そこで日本臨床腫瘍学会(JSMO)は、がんに対する診療技術と薬物による治療成績の向上のため、がん薬物療法専門医の認定を2005年度から始めています。

専門医を受験するためには、(1)1年以上継続して日本臨床腫瘍学会の学会員であること、(2)5年以上がん治療に関する研究活動を行い、がん治療に関する十分な業績があること、(3)研修認定施設において学会所定の研修カリキュラムに従い2年以上臨床研究を行い、修了した者であること、(4)各科の基本となる学会の認定医あるいは専門医の資格を有していること、などが条件となります。

がん薬物療法専門医は、がん患者それぞれの病状に合った有効ながん薬物療法を見つけ、適正に行うだけでなく、薬物療法のさらなる質の向上のために常に努力しなければなりません。また、内科学全般にわたる知識や他の診療科とのスムーズな連携の実現など、幅広い知識と高い技術が必要になります。

日本臨床腫瘍学会では、こうしたがん薬物療法専門医の養成のための専門医制度の充実を図っています。

【文/秋山 晴康】

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