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特集記事: 2009年9月30日 [ 「がんで困ったときに開く本」 2009年9月30日 掲載 ]

活性化した自分の血液でがんを治療する あきらめないがん治療
青木 晃

【特別寄稿】

横浜クリニック 院長

青木 晃 (あおき あきら)

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手術、化学療法、放射線療法に次ぐがん治療として注目されているのが、患者の免疫を活用するがん免疫療法だ。がん免疫療法には多くの種類があるが、横浜クリニックはその中でも、がんやウイルスなどの異物を攻撃するNK細胞を用いた高活性化NK細胞療法に力を入れているという。同院で行う治療について、青木晃院長に話を聞いた。

標準治療を補う先端がん治療 高活性化NK細胞療法

これまで、がん治療において主流となるのは、外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤)、放射線療法の三大治療でした。もちろん、これらはがんに有効ですが、どれも人間が本来持っている免疫力を低下させて、体力を奪う可能性が避けられません。また、進行がんや再発がん、転移がんなど、治療のむずかしいがんには、いまだ太刀打ちできないケースが見られることも残念ながら事実です。標準治療だけでは、三大治療に限界がきて適応外になってしまった場合、全身状態が良好な進行がんの患者さんがホスピスをすすめられる、といったケースもあるのです。

進行がんなど、治療のむずかしい患者さんには別の治療も必要でしょう。当院を受診した患者さんのほとんどは、肝臓、大腸、骨、肺、脳、食道、腹膜、各リンパ節などの全身にがんが転移しており、手術、抗がん剤、放射線療法のいずれも効果がなかった、すなわち標準治療では治療限界を超えてしまった方です。こうした患者さんを対象に、がんを縮小させる反応や進行を停止する反応を確認しているのが高活性化NK細胞療法です。

高活性化NK細胞療法は、ほとんどの種類のがんに加え、原発不明がんにも適応し、全身療法であるために転移病巣にも効果が期待できます。副作用がほとんどなく、抗がん剤のように、ある時期は効いても、時間が経つとがん細胞に耐性が生じて効果がなくなる、ということもありません。さらに、体力を改善しながら治療できる上、標準治療との併用が可能で、相乗効果が期待できます。

当グループ院ではこの治療法をさまざまな種類のがんに対して行っており、症例数は2006年9月~2009年8月で1000例を超えます。

がん細胞を攻撃するNK細胞のパワー

健康な人でも、体内では毎日3千~6千個のがん細胞が発生しているといわれています。それでもがんにならないのは、がん細胞が免疫システムによって排除されているからです。免疫の中心的役割を担っているのは免疫細胞で、リンパ球など働きの異なるさまざまな細胞が存在しています。とりわけ異物を排除する力にたけているのがNK細胞(ナチュラルキラー細胞)です。NK細胞は常に血液中をパトロールし、本来体内にある細胞と少しでも性質の違うものを見つけると、がんであれウイルスであれ、無差別に攻撃します。しかも殺傷力が強く即座に襲いかかるという性質も持っています。こうした性質が、がん治療には大変重要なのです。

中央の大きい細胞ががん細胞で、周囲の小さい細胞が、がん細胞を攻撃しているリンパ球

がん細胞だけを特異的に攻撃するTリンパ球を体外で活性化、増殖させて体内に戻す、活性化リンパ球療法(LAK療法)と呼ばれる治療法があります。この治療法もがんに効果が認められていますが、Tリンパ球は、がんをがんと認識するのがむずかしく、がんの特徴を教えてもらわないと、がんに攻撃を仕掛けません。認識できなければ威力を発揮することができない例も見られるのです。がん細胞は成長するに従って形を変えたり、バリアを作ったりしてTリンパ球の攻撃をかわすようになるため、Tリンパ球の活性を高めても効果を得るのがむずかしい場合もあります。

ほかの免疫療法も同様に、クリアすべきハードルがあり、「待ったなし」のがん患者様には効率が悪いケースも出てきます。こうしたことから、わたしたちは即戦力となるNK細胞を増殖し、活性度を極力高めた「高活性化NK細胞療法」を選択したのです。

高活性化NK細胞療法を治療に用いたがんの例

高活性化NK細胞療法をさまざまな治療で補う

また、高活性化NK細胞療法だけを行うのではなく、治療効果を高めるためにほかのさまざまな治療法を併用しています。

例えば、新潟大学大学院の安保徹教授の理論と、日本自律神経免疫治療研究会の福田稔理事長の臨床により注目された「自律神経免疫療法」。刺絡療法、爪もみ療法といった東洋医学の手法が、安保教授によって理論的に裏打ちされ、福田医師の臨床を通じて多くの治療実績を上げている治療法です。この「福田―安保理論」に共感した医師たちにより、多くの臨床が得られ、注目されている「自律神経免疫療法」を、当クリニックグループでは高活性化NK細胞療法と組み合わせて、相乗効果を上げています。

ほかに行う治療法として、「超高濃度ビタミンC点滴療法」も挙げられます。超高濃度のビタミンCは、強力な抗酸化作用を発揮し、がん細胞に対して、抗がん剤のような毒性を示しながら、正常細胞には活性化を図ります。その性質を生かし、点滴によりビタミンCの血中濃度を350mg/dl~400mg/dlまで上げることで、抗がん剤としての効果を期待します。

さらに、当院では免疫力を増強するものとして、3種類のサプリメントを取り入れています。まず、免疫細胞を活性化させるキノコ系のサプリメントと、活性化された免疫力を持続させるハーブ系のサプリメントを用います。どちらも独自に実施した血液検査で免疫力を測定することによって効果を確認しています。また、よい食品やサプリメントをとっても、腸内環境が悪ければ無駄になることがあるため、腸内環境を整える乳酸菌生産物質のサプリメントも提供します。3つのサプリメントを併用することで、相乗効果を期待します。いずれも副作用はほとんどありません。ご自宅に送ることもできるので、来院しなくても続けられます。

横浜クリニックでは治療に関する無料相談を実施している

あきらめないがん治療でがんの克服を目指す

がんという病気から生還している人はたくさんいらっしゃいます。その多くは、がんの標準治療(三大治療)だけではなく、ご自分でよいと思うことをあきらめずに積極的に取り組まれた結果の生還です。選択肢はいくつもあります。いまや「がん」=「死」ではありません。「がん」という病気の大きな原因の1つは、強いストレスからくる免疫力の低下です。先端医療の「高活性化NK細胞療法」と、東洋医学の「自律神経免疫療法」を組み合わせ、そこからさらに選択肢を広げ、「超高濃度ビタミンC点滴療法」にも期待をかけた、あきらめないがん治療専門クリニックとして、標準治療だけでは治療のむずかしいがんの克服を目指し、がん患者さんと明るい未来を共に歩んでいきたいと切に願っています。

横浜クリニック 外観

各地で同一の医療を提供する 新大阪クリニックグループ

横浜クリニックは、新大阪クリニック、新大阪クリニック・岡山とあわせて、新大阪クリニックグループを形成している。3つのクリニックすべてで同一の医療サービスを受けられるようにしているという。

新大阪クリニックグループの培養施設。NK細胞の培養は、無菌培養技術と凍結解凍技術を用いて、GMP準拠の無菌培養室の中で実施される。

新大阪クリニック

新大阪クリニック・岡山

【構成/鈴木 健太】

青木 晃(あおき あきら)

横浜クリニック 院長

1988年、防衛医科大学校医学部卒業後、
防衛医科大学校第3内科、
東京大学医学部付属病院などで内分泌・代謝内科、
腫瘍内科の臨床研究に従事。
2007年10月、順天堂大学大学院医学研究科
加齢制御医学講座順教授就任。
08年、横浜クリニック院長に就任

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