肛門を温存できる手術や 先端の薬物療法で大腸がんを治療 【国立がん研究センター東病院】 (千葉県柏市)

国立研究開発法人
国立がん研究センター
東病院

 

直腸がんの肛門温存手術に国内有数の実績を持つ

1国立がん研究センター東病院は、最先端の治療の実践・普及を大きな役割としている。大腸がんの手術を手がける大腸外科も同様であり、例えば腹腔鏡下手術をほとんどの症例で行うだけでなく、独自のプログラムでの教育にも力を入れている。そして、特に重視しているのが、肛門に近い直腸に生じたがんに対する「括約筋間直腸切除術(ISR)」だ。
 
同院は、人工肛門を回避できる利点を持つISRを国内で初めて実施し、現在では有数の治療実績を誇る。それを生かし、「ISRは難易度が高い反面、必要となる直腸がんはそう多くはなく、経験を積みにくいのが現状です。十分な治療成績をあげるには、経験のある病院への集約が望ましいのです」(伊藤雅昭医師)と、全国からの紹介や、セカンドオピニオンを受け入れる、言わば「肛門温存センター」の役割も担ってきた。同手術は高い割合で機能温存が可能になったが、伊藤医師はより高い成績を目指し、仙骨神経刺激療法との併用のような最新技術の研究も進めている。
 

治験も含め、豊富な選択肢でがんへの薬物療法を実施

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大腸がんにおける先進的な治療を行うのは、薬物療法を手がける消化管内科も同様だ。消化管がんへの新薬開発の拠点とも言える診療科であり、日本での第1例目を行うことも多い。
 
大腸がんの治療において、近年注目されているのが、個々の遺伝子に適した薬剤を投与する個別化医療だ。「当院では、大腸がんに関する143種類の遺伝子異常すべてを調べて個性を把握し、最適な薬剤の選択を目指しています。143種類の薬があるわけではありませんが、治験も数多く手がけていることから、より多くの選択肢を提供できます」と吉野孝之医師。がんが免疫から逃れる機能の抑制を目指す免疫チェックポイント阻害薬など、最先端の薬物療法を治験として受けられることは、患者にとって大きなメリットだろう。加えて、他科との垣根が低く、例えばがんが縮小した際に治験を終え、外科で手術を行うことも可能だという。
 
今後同院では、こうした先進的な手術の実践と、治療法の開発をさらに充実させるため、手術や内視鏡治療を重点的に行う新棟も開設する予定だ。より多くのがん患者の救命とQOL(生活の質)向上のため、同院はさらなる飛躍を目指す。
 
 
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Information
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