投稿日： 2019年8月8日 15:57 ｜ 更新：2019年8月8日15:57

医療法人社団心癒会
しのだの森ホスピタル

 
理事長 信田 広晶
 
しのだ・ひろあき●東邦大学医学部卒業。 東京女子医科大学病院勤務などを経て現職。
 
 

うつ病や発達障害をはじめ、幅広いこころの病気の診療を担う、しのだの森ホスピタル。同院では薬物療法に偏ることなく、心理療法や自然療法などを組み合わせながら、患者自身に備わる自然治癒力を高めて健康な状態を取り戻す「ホリスティック医療」を柱としている。
 
こころの病気では、傷ついた心と体を癒し、自分らしさや自信といった尊厳を回復していくことが大切だと信田広晶理事長は説明する。「例えばうつ病で心が弱ってしまうと、自分のマイナス面ばかり考えてしまうことが少なくありません。そこで自然体の自分と向き合い、自らの長所や大切な人・存在を再確認し、自分のリズムやペースを取り戻していく、そういった心理的アプローチに重点を置いています。その結果、自分はこれでいいんだと安心感を持てることが回復・再発予防につながるのです」。また発達障害には、患者自身の癖や特徴などを振り返り、どうしたらより良い生活を実現できるか患者・医療者が一緒に考えていく課題解決・学習型の心理療法を実践している。
 

同院では復職をサポートするリワークデイケアにも注力。自宅療養と復職のギャップを無理なく越えられるようにフォローしている。その内容も職場復帰を見据えた作業プログラムに加え、臨床心理士のサポートのもとで自尊心を取り戻すケアや、対人ストレス対処の学習など心理的アプローチを積極的に取り入れている。
 
またデイケアに通うことが難しい患者には準備段階として、ストレスケア病棟でのリワーク準備入院も提供。自然に囲まれた全室個室の環境で心身を癒し、徐々にモチベーションを高めることができる。「障子越しの柔らかな陽光で目覚め、森の中を散歩し、落ち着いて眠りにつく、そうした心身に優しい空間で生活・睡眠リズムを整えて頂ければ幸いです」
 
最近では患者を支える家族が体調を崩すことも多く、そのケアにも力を入れていくと信田理事長。「ご家族の悩みや質問に向き合い、患者さんとご家族が一緒になって治療に向き合えるように、全力でサポートします」。そのひたむきな姿勢がこれからも多くのこころを癒していく。