脳血管内治療と手術の両輪で
地域住民を脳卒中から守る


一般社団法人日本海員掖済会 名古屋掖済会病院

脳神経外科部長 鈴木 宰

すずき・おさむ●1995年、名古屋大学卒業。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。
 
 
 

迅速な救急医療や脳卒中を防ぐ治療を

脳血管内治療では最新の機器を導入し、精度を高めている

 開頭することなく、脳血管の病変を治療できる脳血管内治療。名古屋掖済会病院の脳神経外科ではこの治療を軸に、名古屋南西部の脳疾患治療を担ってきた。その一つが、脳梗塞やくも膜下出血といった、脳卒中への救急医療だ。もともと救急を積極的に受け入れていた背景を踏まえ、救急科、脳神経内科との連携体制のもと、適切な治療を実践している。
 
 例えば、特に患者数が多く生じる脳梗塞に対しては、詰まった血管を再開通させる血栓回収療法を迅速に実施する。「この治療は『1分でも早く』と言われています。当院でも、看護師や放射線技師などと連携して迅速に提供すると共に、問題点を洗い出して更なる迅速化に努めています」と鈴木宰医師。血栓回収療法だけでなく、開頭手術の経験も豊富で、両治療の得意不得意を踏まえて選択することも可能だ。くも膜下出血においても、脳血管内治療の一つ、コイル塞栓術と、開頭クリッピング術から病態を踏まえて選択するという。
 

 あわせて、脳卒中の予防につながる治療も積極的に手掛けている。くも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤に対しては開頭しないコイル塞栓術を主に実施。脳梗塞の原因となる頸動脈狭窄症の治療にも力を入れており、ステントと呼ばれる金属の筒で血管を広げる、頸動脈ステント留置術(CAS)で対応する。「これらの治療の前、患者さんの多くは不安そうな顔をされています。それを取り除けるよう、声をかけたりして安心していただけるよう心がけています」と鈴木医師は語る。
 

 同科の症例数はここ数年増え続けている。今後も地域のニーズに応えることを目指すという。
 

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一般社団法人日本海員掖済会 名古屋掖済会病院
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