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一般財団法人 厚生会

仙台厚生病院

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東北圏内3領域の
最後の砦として 高度・先進医療の
提供を追求

「選択と集中」に基づき発展し続ける

「選択と集中」を基本戦略に、心臓・呼吸器・消化器の3領域の「最後の砦」になることを追求してきた。症例数も患者数も増え続け、宮城県はもとより、東北全域の患者への高度な治療・救急医療を提供する病院として発展してきた仙台厚生病院。

 全国に先がけ、心臓血管センター、消化器センター、呼吸器センターを立ち上げ、3本柱を確立させた。

 内科と外科のバランスが取れた病院について、畑正樹院長は、次のように語った。

「例えば、内科を受診しても外科的治療を提案したり、外科で受診しても内科の治療提案をしたりする病院が一番良いのではないかと思います。それが患者さん一人ひとりに対して、適した治療の提供につながると実感しています」

  • 病室は全個室でプライバシーが保たれる

杜の都に調和する地上9階建ての新病棟が完成

 2024年5月には、現在よりも仙台市内の中心部に移転し、さらなる発展を目指す。コンセプトは、杜の都の次世代型先進病院。外観は、杜の都に調和する色調と地上9階建てに生まれ変わる。敷地は現在の約3倍で、診療スペースは1・5倍の広さ。病床数は、現在の409床を維持し、病室は完全個室型となる。半分は無差額個室で、半分が有料個室。特に重要視しているのが救急の受け入れ体制だ。屋上にはヘリポートを設置。一番頻度の高い救急車については、屋内に招き入れ、前後はシャッターが閉まり、雨風の影響を受けず、スムーズに患者を搬送できるシステムを採用する予定だ。

 時代の潮流も考慮した病院作りも見逃せない。将来のどのような医療の進歩にも対応できるような余剰スペースを多く作っている。ランニングコストも考え、再生エネルギーを採用し、ヒートポンプ方式で地下熱を利用して冷房や暖房の補助的な役割を果たす。さらに、災害時の拠点としても地域住民に役立てるように配慮もしている。

内科と外科が一体となって充実したチーム医療を実践

 治療内容でも、3領域のセンターが大型チームを組むことで、迅速な急患対応から新しい治療法への取り組みまで、質の高い医療を提供している。

呼吸器領域では、分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害剤の臨床治験を多く担当しているため、欧米で有効とされている抗がん剤をいち早く処方できる特色があり、胸腔鏡による外科手術治療、間質性肺炎といった難病に対する治療も多く実践している。

「がんの中でも最も死亡率の高い※肺がんの治療成績を向上させるため努力しています。また、肺がんに限らず喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺炎、間質性肺炎、気胸など呼吸器全般を診療しています。治療については、例えば気胸であれば、内科で緊急の応急処置が可能です。その後の手術を考えると、外科との連携ができていることも患者さんにとっては大きなメリットです」と話すのは、前院長で、呼吸器センター長を務める菅原俊一診療管理者。

 消化器領域では、早期の胃がん・大腸がんの内視鏡による切除治療、カプセル内視鏡を用いた小腸病変診断、小さな穴からの胃がん・大腸がん・胆嚢結石に対する腹腔鏡手術、肝がんに対する薬剤・焼灼療法・カテーテル・外科手術を組み合わせた集学的治療、C型肝炎・脂肪肝の治療などが行われている。

「消化器疾患全般を網羅した質の高い医療を追及しています。消化器の領域で、食道から胃、大腸、肝臓、膵臓、胆道の診断から最新の治療、そして術後のフォローまでを一貫して行っています。特に、がんの診断と治療をその柱としています。救急疾患は、24時間365日、受け入れる体制が確立されています。地域医療に対する貢献が評価され、市民や地域医療からも厚い信頼を寄せられています」と消化器センター長の山内淳一郎院長補佐は語る。

  • 弁膜症に対するカテーテル手術(TAVI)

ドア・ツー・バルーンタイムで、患者の命を守る

 循環器領域では、心筋梗塞、急性大動脈解離といった一刻を争う病気にも24時間365日、対応。全国に先がけたカテーテルによる心臓弁膜症治療と大動脈瘤治療への取り組み、小さな創による低侵襲心臓手術の導入が大きな特色だ。

「救急診療の中で時間との勝負になるのが、急性心筋梗塞の治療になります。ドア・ツー・バルーンタイムという言葉がありますが、患者さんが病院に入ってくるのがドア、そして詰まった血管を治療して広げるバルーンの時間が1時間以内です。それが患者さんの予後を良くするために求められると言われていますが、当院では達成ができています。これは、我々のカテーテル技術もさることながら、やはりスピーディーに行える診療体制を24時間取っていることがポイントとなります。それを可能にしているのが当直体制です」と循環器内科の多田憲生科長は診療体制の盤石さに力を込める。

  • 大動脈瘤に対するステントグラフト手術

 同院の大きな特徴のひとつは、医師の働き方改革にも取り組んでいること。当直体制を敷き、オンとオフのメリハリをしっかりつけて診療にあたっている。当直体制によって、すべてを当直医が対応できるため、急患が来たからといって病院から呼び出され、駆けつける必要はない。オフを、自分の時間を取ることができる。

「新築移転をして、新しい治療などを取り入れることを目指していますが、一人の医師と患者さんという面は今後も大事にしたいと考えています。決して大型化したからといって、地域医療の精神は忘れずに、治療を行うことを心がけています。また、かかりつけ医との連携も重要視しています。仙台厚生病院で治療を受けてみたい、あるいは話を聞いてみたいというだけでも良いので、来院してもらえればと思います」と畑院長は熱い意気込みを語った。

※厚生労働省「2021年人口動態統計」

取材・文/粕谷義和

院長 兼 心臓血管センター長 

畑 正樹

三学会構成心臓外科専門医認定機構
心臓血管外科専門医

院長補佐 兼 消化器センター長 

山内 淳一郎

日本消化器外科学会認定
消化器外科専門医

診療管理者 兼 呼吸器センター長

菅原 俊一

日本呼吸器学会認定
呼吸器専門医

心臓血管センター 循環器内科科長 

多田 憲生

日本循環器学会認定
循環器専門医

医療新聞社
編集部記者の目

全国でも先駆けて、1996年に心臓血管センターを立ち上げ、続いて消化器センター、呼吸器センターの3センター体制を確立し、ワンチームで取り組んでいる。今回は、3センターのトップの医師と院長の4名に取材を行った。医師たちの力強い言葉に、外科・内科の垣根がなく、チーム医療で取り組んでいることが明確に伝わってきた。さらに、すでに働き方改革まできちんと確立されていることも「お見事」と実感。「選択と集中」を基本戦略に発展し続ける同院の地上9階建て新病棟が完成する2024年5月がとても楽しみだ。

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