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東京女子医科大学病院

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AVM完治を目指し、ガンマナイフで人生を手術する

独自の一貫した治療計画でAVM治療に好結果を期待

 脳動静脈奇形(AVM)は先天性疾患とされていますが、あえて「病気」とは呼ばず、「病態」と呼び説明しています。道路に例えれば、動脈と静脈それぞれの幹線道路の間にバイパス道路として存在しているようなイメージであり、決して異常とはいえません。しかし、そのバイパスの橋げたの一部が脆弱であり、一定の確率で抜けてしまう(出血を起こす)可能性が問題となっています。

 最近発表されたARUBA研究(海外のAVMの研究)では、18歳以上未破裂AVMに関しては非治療群の成績が良いことを理由に、特に難易度の高いAVM(大きい、深い、脳機能の高い場所にある)は治療としては打つ手なしとされているのが現状です。

  • 難治性巨大脳動脈奇形
  • 最新ガンマナイフ

 しかし、私たちは、特に子どもの症例に対し、将来(就職・結婚・出産など)を見据えて、極めて低侵襲なガンマナイフを中心に独自の治療方針を立てています。20年間一貫した線量計画方針のもと、高難度AVMに対して高い治療奏効率が目指せます。さらに約1年前に導入した、最新治療システム(ブレインラボ社の新たな医療用ソフトウェアを搭載した最新ガンマナイフ機器)によって、より確実にどこへ照射すべきなのかを詳細に認知することが可能となりました。患者さんにとっても、いままで必須だった当日血管撮影とフレーム装着が不要となり、「日帰り治療」が可能となりました。

 今まで治療してきた子どもたちや若者の中に、成長の過程で医療従事者になることを目指し、実際に夢を実現している方がたくさんいらっしゃいます。患者として治療を受けた医療従事者は強くて優しい。彼らから医療の素晴らしさを、むしろ私たちは教えてもらっているのです。

  • ブレインラボ社最新ソフトウエア(治療前の血管撮影とMRIをフュージョンし、治療箇所を正確に同定する)
  • エレクタ社治療計画専用ソフトウエア(前ソフトウエアにて同定された箇所への線量計画を綿密に立てる)

東京女子医科大学脳神経外科 教授
定位放射線治療部門長

林 基弘

はやし・もとひろ●医学博士。1991年群馬大学医学部卒業、同年東京女子医科大学脳神経外科入局。99年フランス・マルセイユ・ティモンヌ大学臨床留学。15年第12回国際定位放射線治療学会学術大会長。東京女子医科大学脳神経外科講師、准教授を経て22年より現職。

医療新聞社
編集部記者の目

脳動静脈奇形(AVM)は、多くの場合、その箇所によって手術療法か放射線療法かを選択するのだが、林教授は最新のソフトを搭載したCTで位置を特定できれば、深部であってもガンマナイフによる定位放射線治療で完治を目指せる。先天性AVMの若い患者は、できるスポーツにかなりの制限がある。なかなか治療に踏み切れない患者や家族に対して、その朗らかな人柄で丁寧に切々と治療方針を、納得のいくまで説明する。そうして治療した若者が、社会で明るくのびのびと活躍する姿を見るのが、教授の何よりの生きがいだ。

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