社会医療法人 柏葉会

柏葉脳神経外科病院

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成熟した脳血管治療チームが
最新テクノロジーを駆使し
希少疾患に挑む

脳疾患治療に特化柏葉だからこその医療を

1971年の開院以来、札幌市で地域の脳疾患医療の中心を担う柏葉脳神経外科病院。「患者と医師、双方向の信頼と尊敬」を理念に、急性期から慢性期まで高度な医療を提供する。

 2021年、中山若樹副院長の着任と同時に高度脳血管病センターを設立し、さらなる医療レベルの向上に磨きをかけた。放射線技師らとの画像診断時の連携から、手術室の環境や道具に至るまで細部にこだわって脳血管治療チームを構築していった。

「脳動静脈奇形(AVM)は全国でも対応施設の限られる希少疾患。我々が最後の砦だという覚悟で診療にあたっています」と中山副院長は話す。
 若年層で好発するAVMは、脳出血のリスクが高い。緊急時はチーム医療による迅速な手術で救命を目指す。

患者をリスペクトし適切な診断・治療を提供

「治療法の判断基準は明確です。病変が表層に顔を出している場合は根治性の高い切除手術。深部の場合はガンマナイフで焼灼。必要に応じて補助的に血管内塞栓術を併用します」と中山副院長。

 AVMは病変が運動路や視覚路など神経路に隣接するケースもあり、患者によって状態は千差万別。的確に診断するため、MRIやCT、核医学検査、血管造影などで病変の位置や構造を正確に把握する。中でも神経の配線図が一目でわかるMRトラクトグラフィはリスク回避に有効だ。同院の先端医療研究センターの松澤等医師ら画像解析のスペシャリストが術前計画からサポートし、チーム医療で精緻な手術を実現する。

 患者によって「早く異物を取り除きたい」「手術が怖い」など意見が分かれるため、一人ひとりの気持ちを汲み取りながら診療する。

「私は外科医として脳血管治療に人生をかけてきました。最新の機器を活用しながら、顕微鏡下で脳と病変の間を精細に剥離し、正常脳を温存しつつ病変の全摘出を完遂します。ただし、治療法には、それぞれ特徴があります。治療内容やリスクについて詳しく解説し、十分理解した上で納得できる方法を選んで頂きたい」と中山副院長。手術は根治性が高いことが利点だが、術者に高度な技術が要求される。ガンマナイフは侵襲が少ない一方、まれに画像に映らない病変が残ることもある。熟練の医師がリスクや将来を見据えた上で、患者と相談しながら治療方針を決めていくのが柏葉のスタイルだ。

熟練の手技を解析・継承し医療の未来をつくる

 同院では高度な手技の継承、後進育成も使命に掲げている。

「優れた医療技術も再現性がなければ、救える患者さんは限られます。言葉で伝えるのはもちろん、言語化が難しい技術の継承も目指しています」と中山副院長。AIによるモーションキャプチャーで手術動作を解析し、適切な速度・角度など動作の継承にも取り組んでいる。

 2024年には新築移転を予定しており、ハイブリッド手術室の設置など、より充実した手術環境を計画する。特筆すべきは最新の顕微鏡下手術システム。術中、視野内にAR(拡張現実)で治療計画を3次元表示する最新機器を導入予定だ。脳表層部のAVM手術はもとより、実施すら難しい深部での手術精度向上の鍵となる。

  • 2024年 新築移転イメージ

 柏葉脳神経外科病院は先進的な医療技術を磨き上げるとともに、より多くの患者にとって明るい未来のため尽力する。

取材・文/五十嵐幸司

テクノロジーを活用した先進的なAVM手術

  • (左)神経路を正確に判断する MRトラクトグラフィ
    (右)顕微鏡術野と3D術前画像を 統合するAR

副院長・高度脳血管病センター 
センター長

中山 若樹

なかやま・なおき●北海道大学医学部卒業後、同大脳神経外科に入局。米国留学、同大関連病院勤務、同大診療准教授などを歴任。2021年より現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医

医療新聞社
編集部記者の目

10万人に1人程度の発症という希少疾患「脳動静脈奇形(AVM)」の治療について話を伺った。若年層の発症・発見が多いため、患者の将来を見据えて治療方針を定める。「治療した患者さんが、定期検診の際、『結婚しました』など元気になって近況報告してくれるのが、何よりうれしい」と中山若樹副院長は話す。希少かつ難症例のAVMに対応できる医療施設は限られている。同院では高い質の手術を追求しつつ、全国で広く高度なAVM治療が受けられるよう情報発信にも力を入れている。

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