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横須賀市立うわまち病院

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心不全の再発防止
ハピネスハートプログラムを始動‼️

補助循環用ポンプカテーテルで重症心不全を治療

 横須賀市立うわまち病院は三浦半島の東部、横須賀市のほぼ中央に位置。同市のほか、三浦市、逗子市、葉山町、鎌倉市など、人口約70万人が暮らす医療圏で地域医療を担う。

 心不全は社会の高齢化に伴い、患者数の増加が顕著だ。同院はドクターカーによる重症心疾患患者の受け入れなど、24時間365日、循環器内科医が常駐し、心不全対応には心肺機能検査を全例実施し、運動処方をしている。

 2022年からは、補助循環用ポンプカテーテルを導入。心臓のポンプ機能が失われた際、左心室から抜き出した血液を大動脈に送る小型の心臓ポンプで、重症心不全治療に使われている。

 そんな今、同院は「心不全の再発防止」に取り組んでいる。

「循環器疾患で退院後、心不全で再入院する患者さんを減らしたく、当院は22年2月から、包括的に心不全患者さんを支援するハピネスハートプログラムを始めました」と話すのは同院副院長、循環器内科部長・集中治療部部長の岩澤孝昌医師だ。同プログラムを知るためのキーワードが「多職種」。心不全治療は、多角的な観点が必要という考えだ。

多職種が連携し、患者さんと家族をサポート

「外来に来る心不全の患者さんは高血圧や糖尿病、栄養不良、鬱症状、排尿障害など、さまざまな悩みがあります。それらに対し、医師の診療に加え、心肺機能検査、運動療法、生活全般や食事、内服薬の教育、心理カウンセリングなどを包括的に継続することが重要です。プログラムでは医師のほか、多職種が連携し、患者さんと、その家族をサポートします」

 プログラムを受けるには、同院の循環器内科の診療を申し込み、院内でレントゲン、心電図、血液検査、心臓超音波検査などの検査を受ける。次に、看護師、管理栄養士、理学療法士、薬剤師が心不全管理の評価と指導を実施する。そして、医師から心不全の状態評価、検査結果、今後の治療方針の説明を受ける。

 その後は、定期的に外来で受診。初回のプログラム実施から半年~1年後、再び、プログラムを実施する。

「プログラムには年に2回、葉山や逗子など、三浦半島の各景勝地を望む約5~6㌔㍍のコースを3時間ほどかけて歩く、心臓リハビリテーションハイキングなどを開催、楽しみながら、心肺機能維持を目指してもらいます」

 多職種が連携する心不全療法として、今後も注目を集めそうだ。

取材・文/星 裕一朗

横須賀市立うわまち病院
副院長

岩澤孝昌

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横須賀市立うわまち病院

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