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HDCアトラスクリニック

院長自ら独自サイトを開発、
オンライン診療の未来に活路

対面と変わらぬ診療、患者にメリット

 HDCアトラスクリニックは糖尿病治療に定評があり長年、国内だけでなく、海外からも患者が訪れている。そうした知名度の高いクリニックでも、新型コロナウイルスの感染広がりによって、来院を控える患者が多かったため、同クリニックでは先んじて独自開発のオンライン診療を導入した。

 対面診療との違いについて院長の鈴木吉彦医師は次のように指摘する。「画面を通した診療であっても、私たち内科医にとっては、患者さんの状態を把握することに違和感を感じませんでした。お待たせすることがないうえに、感染リスクも少なく、患者さんの負担は大きく軽減されたと思います」

 新薬などの場合、基本的に発売から1年間は、2週間分しか処方できないため、患者は2週間に一度は来院する必要があった。そこで同クリニックでは、1カ月に1回は来院、その間の2週間目はオンライン診療という独自の診療スタイルで患者に好評を得たという。鈴木医師の独自の調査では患者75人中56人(75%)がオンライン診療を希望。そのうえでオンライン診療があるなら新薬を試してみたいと思う患者が急増した。

 決済もオンライン上で完了するため、経営面でも合理化が図られたという。

オンラインが医師の働き方を変える

 実は鈴木医師は、長年、診療の傍らインターネットの医療への応用について実践してきた経歴の持ち主。約20年前に、今や医療関係者の多くが利用する日本最大級の医療サービスサイトを立ち上げた経験がある。

 そうした流れの中で昨年から、自らが医療ポータルサイト(iryoo.jp)の構築に着手。その中で独自のウェブアプリという発想をベースにしたオンライン診療を開始した。

「まさか、この時期に重なるとは思ってもみませんでした。目的はオンライン診療のみではありません。これからの時代、医師は診察を軸としながら、もっと視野を広げて、さまざまな取り組みをしていいのでは。ある意味、医師の副業支援となるプラットフォームとなる予定です」

 鈴木医師は、インターネットを利用することで、医師の能力はもっと有効に発揮されると主張する。
「患者さんや医療情報提供者などが、会いたい医師にいつでも会えるというウェブサービスができれば、診療のほかにも医師は場所や空間に関係なく相談、面会ができる時代に変わることでしょう。医師の働き方を変えるきっかけにもなればと思っています」

院長

鈴木 吉彦

医療新聞社
編集部記者の目

 コロナ禍で広がりを見せるオンライン診療。インターネットに明るい鈴木院長はまるでこの状況を予見していたかのように、自前のポータルサイトの構築を始めていた。本人もタイミングの良さに驚いていたが、診療とネットとの親和性には以前から気付いていたに違いない。ネットをオンライン診療だけにとどめず、医師と患者をつなぐツールとしてさらに大きな構想を胸に秘めている鈴木院長。その背景には、より患者に負担の少ない医療を提供したいとの強い思いがあるからに違いない。

Information

HDCアトラスクリニック

診療科目:内科、糖尿病内科、呼吸器内科、
循環器内科、心療内科、内分泌内科
診療:月~金(休診日は土、日、祝)
〒102-0082 東京都千代田区一番町5-3
アトラスビル1階

予約・問い合わせは
TEL.03-3234-6060

こちらからもオンライン診療の受付ができます。