• 兵庫県

医療法人社団英明会

大西脳神経外科病院

脳血管内治療から開頭手術まで
高度な脳卒中治療を提供

充実した人員・設備で脳血管内治療に注力

日本人の死因の第4位を占め、年間約10万人もの死亡者がある脳卒中※。この脳卒中の治療に力を入れて、約20年にわたり、兵庫県東播磨地域の医療を支えてきたのが、大西脳神経外科病院だ。

 同院の特徴の一つとして、脳血管内治療への注力が挙げられる。血管に挿入したカテーテルを通じて病変を治療する方法で、従来の開頭手術よりも低侵襲なところが大きなメリットだ。

 「高度な技術を要する脳血管内治療ですが、当院では24時間365日対応可能な医療体制を整備しています」と久我純弘院長。

 こうした体制の背景には、スタッフと設備の充実がある。日本脳神経血管内治療学会が知識と経験、技術を認めた脳血管内治療専門医は5名、正確な診断に大切なMRIも4台を備える。

 「人員や設備を脳神経外科に特化できるのは、単科病院ならではの強みで、チーム医療の充実にもつながると考えています」

より迅速、正確な治療へ最新機器も導入

 脳卒中の治療は、時間との闘いでもある。救命という面はもちろん、予後を改善して、後遺症を軽減する意味でも、迅速な治療が求められる。

 同院では、救急搬送から検査・診断、治療までを60分以内に行う体制を整備。2020年7月からは、更なる時間短縮を目指して、脳血管内治療で使用する新型の血管撮影装置も導入した。国内では、他に3施設しか導入していない最新機器だ。

 「これまでは、MRIなどで検査した後に、血管撮影装置まで移動して治療する必要がありました。しかし新しい装置では、検査と治療を同時に進めることができるのです」と大西宏之医師。「慣れてくれば、従来の半分程度の時間で脳血管内治療を始めることも可能だと考えています」

 導入のメリットは、それだけではない。髙橋賢吉医師は「画質が向上した点も重要です。細い血管でも綺麗に見ることができるため、治療精度の更なる向上が期待できます」と解説する。

新たなステント治療で大型の脳動脈瘤にも対応

 脳卒中の中でも特に患者の多い脳梗塞への血栓回収療法や、脳卒中につながる危険性のある脳動脈瘤へのコイル塞栓術、頸動脈狭窄症へのステント留置術など、同院では、さまざまな脳血管内治療に幅広く対応。なかでも注目したいのは、特殊な金属筒(ステント)を血管内に留置することで、脳動脈瘤の縮小を図るフローダイバーターステント治療だ。

 同治療は、大型の脳動脈瘤にも対応可能な最新の脳血管内治療だが、高度な技術などが求められるため、一部の医師・施設にしか実施が認められていない。

 これまで同院では、脳血管内治療のエキスパートである大西医師が、大阪医科大学附属病院と連携することで実施してきた。しかし20年度中には、同院のみでも提供できるようになるという。

 「大型の脳動脈瘤でも、低侵襲な脳血管内治療が受けられるようになるため、患者さんのメリットは大きいと期待しています」と大西医師。

開頭手術にも熟達しリハビリで予後改善も

 注目されている脳血管内治療だが、開頭手術が必要な患者も一定数存在しているため、症例ごとの適切な治療選択が大切だ。

 「脳血管内治療と開頭手術のそれぞれのエキスパートが揃う当院では、両者の密な連携をもとに、最適な治療の提供を目指しています」と久我院長。もちろん脳梗塞へのt-PA静注療法など、その他の脳卒中治療にも対応している。

 このほか脳卒中では、リハビリテーションも重視しており、回復期リハビリ病棟を31床設置。退院後の慢性期リハビリにも、地域の医療機関と連携することで取り組んでいる。

 また予防にも力を入れており、再発防止に向けた定期検診や生活指導などもきめ細かく実施。市民講座や啓発授業も行い、一次予防や救急対応などの知識普及に努めている。

 「急性期から回復期、慢性期、そして一次・二次予防まで、手厚く一貫したフォローを心がけています」と大西医師は強調する。

最新の超音波治療など幅広い治療を提供

 脳卒中以外の治療も見逃せない。手足の震えなどを生じる本態性振戦では、最新の集束超音波治療(FUS)を導入。既存の薬物療法では治療が難しい重症患者でも、開頭せずに症状の改善を目指すことができる。

 脊椎・脊髄疾患や脳腫瘍の治療にも注力しており、脳卒中と同じく、それぞれのセンターを開設して、専門性の高い治療を提供している。

 「豊富な手術実績も、当院の特徴です。経験を重ねるほど、手術の技術も向上すると考えています」と髙橋医師。

 加えて手術では、安全性を高めるために、CTやMRIによる術前評価を丁寧に行い、神経モニタリングもほぼ全症例で実施。「脳血管内治療でも、合併症へのバックアップ体制を整えています」と久我院長は説明する。

 脳卒中・循環器病対策基本法も制定され、医療体制の整備が進む本邦。その一翼を担う同院は、外来に特化した分院「明石駅前クリニック」とともに、これからも地域医療を支えていくだろう。

  • 最新の集束超音波治療(FUS)

主な手術症例数(2019年1月~12月)
脳卒中の治療総数 1493件(内科的治療も含む)
 ●t-PA 33件 ●血管内治療 276件 ●開頭手術 176件 
脳動脈瘤 148件 
破裂脳動脈瘤の手術総数 37件 
 ●血管内治療 28件 ●開頭手術 9件
未破裂脳動脈瘤の手術総数 111件 
 ●血管内治療 87件 ●開頭手術 24件
頸動脈狭窄症の手術総数 80件 
 ●頸動脈ステント留置術 79件 ●頸動脈内膜剥離術 1件
脳腫瘍切除術 86件
脊椎・脊髄変性疾患、外傷性脊髄損傷 183件
総手術件数 921件

理事・院長・医務部長・脳神経外科主任部長・
回復期リハビリテーションセンター長

久我 純弘

くが・よしひろ●医学博士。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。日本脳神経外科学会代議員ほか。

脳神経外科部長・脳血管内治療主任部長・
脳卒中センター長

大西 宏之

おおにし・ひろゆき●医学博士。大阪医科大学臨床教育准教授。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医ほか。

脳神経外科部長・手術部長

髙橋 賢吉

たかはし・けんきち●医学博士。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医ほか。

医療新聞社
編集部記者の目

2000年12月、脳神経外科の単科病院として開院した大西脳神経外科病院。20年間で病院は大きく成長し、病床は82床から153床にまで拡大した(2020年8月1日現在)。年間900例もの手術を実施するとともに、アルツハイマー病などの治療や、リハビリテーション、脳ドック、疾患啓発にも注力する。地域医療を支える取り組みの充実は、紙幅の関係で紹介しきれなかった部分もある。興味を持たれた方は、ぜひ一度、同院の取り組みをホームページで見てもらいたい。

Information

医療法人社団英明会

大西脳神経外科病院

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