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地方独立行政法人神奈川県立病院機構

神奈川県立がんセンター

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経験豊富なスタッフが連携し
一例一例、最適な治療法を追求

早期発見を重視し地域の医療機関と協力

 がん診療連携拠点病院に指定され、地域のがん診療の中核を担う神奈川県立がんセンター。同院では幅広くがん患者を受け入れ、特に肺がんは国内有数の治療件数を誇る。実績の背景には県内・県外の医療機関との緊密な連携体制がある。肺がんは症状が現れてからでは、進行して治療が難しいことも珍しくない。そこで早期発見を増やすべく、地域の肺がん検診の二次読影に取り組むと共に、講習会を開いて画像診断の質の向上にも努めている。それらが多くの患者紹介につながっているのだ。

 また同院にある高分解能な薄層CT(Thin-Section CT)も、早期発見に寄与していると齋藤春洋医師は話す。「病変を1㍉ほどに薄切りし、拡大して撮影することが可能なため、小さい陰影や、炎症との区別が難しい陰影などもがんと診断できるケースがあります」

 各診療科に経験豊富なスタッフが揃い、風通し良く連携して最適な治療内容を検討していることも特長の一つ。全症例を情報共有し、病態や全身状態に応じて手術、放射線治療、薬物療法を組み合わせていく。手術が可能な場合には、低侵襲で高度な技術を要する完全胸腔鏡下手術を基本とし、安全・確実性を高めるために開胸手術も選択する。呼吸機能をより温存できる区域切除や、片肺全摘を回避するため、血管・気管支をつなぎ合わせる形成術も積極的に実施しているという。「根治性も然ることながら、生活の質の維持とがん根治を目指した術式を選択します」と伊藤宏之医師。放射線治療においても病変にピンポイントで照射できる重粒子線治療を導入し、高齢者などの肺機能が低下して手術が難しい症例にも対応している。

 これらの選択肢について、丁寧に説明してくれるのも心強い。「それぞれの利点やリカバリーに向けたイメージなどをお伝えし、一緒になって治療手段を選ぶように努めています」と伊藤医師は話す。さらに、がんに関連する遺伝子の有無を調べるがん遺伝子パネル検査も開始し、標準治療にとどまらず、治験・臨床研究を含めて新たな選択肢を探せるという。このような体制が充実しており、齋藤医師は積極的な受診を呼びかける。「まずは当院で、最も適した治療を確認して頂ければ幸いです」

呼吸器内科部長

齋藤 春洋

呼吸器外科部長

伊藤 宏之

医療新聞社
編集部記者の目

肺がんの治療方針は、種類や進行度によっておおよそ判断される。ただ神奈川県立がんセンターでは患者の希望も尊重し、できる限り丁寧な説明を心がけて、一緒に選ぶ姿勢を徹底している。例えば手術の場合、低侵襲な術式や機能を温存できる術式のメリットを伝えることで、術後の生活がイメージしやすくなり、より前向きに臨めるようになるという。そうした患者目線の姿勢こそ、信頼される理由の一つだろう。

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