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社会医療法人ペガサス

馬場記念病院

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脳外科医8人体制で
救急救命に力を尽くす

患者を断らない、「脳外の馬場」の伝統

 救急搬送を断らない「脳外の馬場」として、脳卒中治療で、長く地域住民から絶大な信頼を得ている馬場記念病院。同規模の医療機関としては突出した脳神経外科医8人を擁し、24時間365日、救急搬送に対応できる体制を整えている。

 いつ発症するか分からない脳梗塞など脳卒中の治療は、患者の救急受け入れ体制が最大のカギを握る。1分1秒でも早く医療機関に収容するためには、救急隊と医師との緊密な連携が重要だ。

 同院で脳卒中治療を統括する脳神経外科部長の金本幸秀医師は「救急隊からのホットラインには直接医師が対応します。当番医が救急患者を治療していて、新たな患者が搬送されてきてもすぐに別の医師が治療できる体制をとっています」と話す。同院ならではの手厚い救急医療体制が、受け入れが重なる場合での対応を可能にしている。

 同院の地域では、救急搬送に際し、救急隊が患者の状況を判断し最も近い適切な搬送先を確定できるスマホアプリを採用。医療機関との間で、搬送にあたって齟齬をきたさない仕組みを構築している。

 「救急隊も我々と同じ脳卒中治療に取り組むブレインチーム※の重要な一員です。定期的に、救急隊と医師とで事例の検証や情報共有を行い、治療に役立てています」

t-PA療法と血栓回収法を同時に

 脳卒中では、いつ発症したかでその後の治療が変わってくる。例えば脳梗塞の場合、血栓を溶かして血流を回復させるt-PA療法が有効であるのは発症から4時間半とされるが、その発症時間の見極めは難しい。そこで同院では、重症患者の場合は、t-PA療法と同時に、カテーテルによる脳血栓回収療法を行い、さらに効果の高い治療を目指している。脳卒中の診断でも、主流のMRIでは診断の確定に時間がかかるため、CT画像から脳梗塞になっている領域と脳血流が低下した領域を算出、表示できる画像解析プログラムを採用。迅速かつ明瞭に血流の様子を画像化することでより確かな治療の選択が可能となっている。

 「血流が低下していても細胞死していないペナンブラという部分を救うため手を尽くして速やかに血流再開させるのが我々の仕事。ですから、しっかりした診断に基づく治療のために、いつ患者さんが来られても、ブレインチームの全ての医師、看護師が同水準で対応できるようにしています」

 脳卒中は再発することの多い疾患でもある。同院ではリハビリテーションの体制も充実させ、急性期だけでなく慢性期までも視野にいれた治療を行っている。

 「患者さんのその後の人生もしっかりフォローできるように、かかりつけ医との連携も深め、地域をあげて脳卒中治療に取り組んでいきたい」と金本医師は抱負を語っている。

脳神経外科部長

金本 幸秀

医療新聞社
編集部記者の目

 超高齢化社会では、脳卒中などによる救急搬送がさらに増加することは間違いない。それに対して医療機関ではよりスピード感を持って、クオリティの高い治療を行う必要に迫られる。馬場記念病院は「脳外の馬場」として長年の実績を有し、8人の脳外科医が治療にあたるという手厚い体制だ。また金本幸秀医師を始めとして、決して救急搬送を「断らない」信念を持って医療にあたる情熱がある。日々の研鑽を怠らない同院はこれからも患者や地域住民の期待に応えていくことだろう。

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※脳神経外科に関わる医師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、薬剤師、セラピストなどの医療スタッフからなるチーム。

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