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常滑市民病院

腹部に傷痕を残さない
新しい腹腔鏡手術「NOTES」

 常滑市民病院婦人科では、腹部に傷痕を残さない新しい腹腔鏡手術を実践している。その手術法はNOTES(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)と呼ばれ、専用の医療器具が2019年11月に国内で初めて薬事承認されたことを受け、全国に先駆けて手術を実施した。

 通常の腹腔鏡手術では、腹部に穴を複数箇所開けて、カメラや鉗子類を挿入して腫瘍を摘出するが、NOTESでは口や鼻、肛門、膣など人体に元から開いている穴から手術器具を挿入して執刀する。したがって、複数の穴を腹部に開ける必要がないため傷痕が残らず、術後の患者負担を大幅に軽減することが可能だ。

 黒土升蔵・婦人科統括部長は「特に女性の場合、膣は分娩時には胎児が通過する産道でもあり、伸長するため腫瘍の摘出が行いやすく、婦人科領域におけるNOTESのメリットは高いと言えます」と話す。子宮筋腫や卵巣嚢腫の手術などに適応が多いとみられるという。

 同院では今後、婦人科の先進的な医療機関として、NOTESを実施する医療機関を増やし、国内での普及に努めていきたいとしている。


通常の腹腔鏡手術では傷痕が残るが㊤、
NOTESは腹部に穴を開けずに手術が行われる

常滑市民病院 婦人科統括部長

黒土 升蔵

医学博士
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医

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常滑市民病院

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