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社会医療法人 清恵会

清恵会病院

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“ハイブリッド脳外科医”として
安全で確実な脳卒中治療に尽力

「脳卒中治療を絶対に止めない」

 大阪・堺市の中心部に位置する清恵会病院。51年にわたり地域の救急医療を支え続けてきた同院は、2015年に現在地に移転、救急・診療体制を強化した。来院者数は年々増加の一途を辿り、地域医療の要として役割を増している。 
 なかでも飛躍的に症例数を伸ばしているのが脳卒中センターだ。移転後に一次脳卒中センター(PSC)に認定され24時間365日体制で脳卒中治療に対応、年間約400例※の患者が運び込まれている。
 「『脳卒中治療を絶対止めない』という強い意志をもって診療にあたっています」と話すのは、同院脳神経外科副部長の木村僚太医師だ。木村医師こそが同センターの救急態勢を一新、いかなる時も搬送を受け入れ、迅速な治療を提供するシステムを構築した立役者である。
 「救急搬送受け入れの壁となるのが、ベッドを確保できるかどうか。そこでSCU(脳卒中ケアユニット)のバックベッド(後方病床)を常時3床準備し、空床を確保することで救急搬送を二つ返事で受けられるようにしています」
 医療者は搬送連絡を受けるとすぐにセット化した検査を準備し、患者の到着を待つ。搬送後、30分以内にCT検査とMRI検査を実施。脳卒中の約7割を占める脳梗塞の治療は時間との闘いとなるが、その血栓溶解療法(t︲PA)は約20分、血栓回収療法も40分ほどで開始するという。刻一刻と迫る時間を制する工夫と、木村医師がけん引するチームの固い結束には救急隊員からの厚い信頼が寄せられ、年間救急搬送数は移転前の倍近くになっている。

最適な治療を提供する“ハイブリッド脳外科医”

 脳卒中治療では近年、低侵襲に行う血管内治療が増加している。同センターでの実施も2020年※は100件を超えた。それとともに、同センターでは開頭手術にも対応している。木村医師は両治療が行える“ハイブリッド脳外科医”であり、指導する立場にもある。適した治療法を見極め提供する点は同センターの大きな強みとなっている。
 「脳動脈瘤などの症例では、血管内治療よりも開頭手術の方が安全に実施できる場合があります。どちらも行えることで患者さんにとって最適な方法を、自信をもって提案できるのです」
 地域に根差した医療機関だからこそ、一般的な症例に安全で確実な方法をもって治療することが求められる。そこに“ハイブリッド脳外科医”であり続ける理由があるのだと、木村医師は強調する。
 「地域の患者さんを一人でも多く救いたい」。情熱溢れる真っ直ぐな眼差しで患者と向き合う木村医師は、脳卒中治療に挑み続ける。

※2020年1~12月

脳神経外科副部長

木村 僚太

日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医

医療新聞社
編集部記者の目

 取材前日も深夜まで診療していたという木村僚太医師だが、その表情は疲れを見せず穏やかで優しい。「24時間どこにいても患者さんの病状の変化に対応する。それが主治医の役割」と話す。さらにモットーにしているのは、病気について患者さんや家族がわかるまで丁寧に説明すること。「脳卒中治療は“究極のチーム医療”で、患者さんやご家族もその一員だからです」。どんなに忙しくても、患者さんに寄り添うことを最も大切にする姿勢を目の当たりにし、心打たれる取材となった。「堺で脳卒中と言えば、清恵会の名が挙がるのが目標」と木村医師は語る。その日はそう遠くはないだろう。

Information

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日曜日・祝日・年末年始
(※救急はこの限りではありません)

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