• 大阪府

医療法人徳洲会

岸和田徳洲会病院

コロナ禍でも地域医療、
災害医療、離島・僻地医療を守り抜き、
人々に寄り添い続ける

常に患者側に立ち先進医療の導入に努める

 高度急性期医療を通じて、大阪府岸和田市を中心とした地域を力強く支え、長期にわたり、住民からの信頼を得ている岸和田徳洲会病院。新型コロナウイルス感染症が広がるなか、重症患者の受け入れ医療機関として重責を担った。

 これまでにない経験に東上震一総長は、「普段は救命救急センターが使用している28床をコロナ患者専用の14床としました。日ごろから周囲の医療機関や行政と連携をとっており、コロナにも地域全体として対応しました。このような状況でも、通常の診療を維持し、本院の責任を十分に果たせていると考えています」と振り返る。

 常に弱い立場の患者側に立つというのが徳洲会グループの理念。それに沿って、各分野における最新技術の導入に努め、高度先進医療を患者ら地域住民に提供し、24時間365日体制の救急医療にも力を注いできた。厚生労働省から大学病院に次ぐ高度な医療が提供できる機能を持つ「DPC特定病院群」としての指定を受けている。

 2022年度からは現在建設中の新病棟で59床増床し、病院全体で400床となり、さらに診療体制を拡充させる予定だ。

手術・カテーテル治療を使い分け、難症例にも対応

 同院の柱の一つが、東上総長が力を注いできた心臓血管外科だ。累計9000件以上※1の手術実績を重ね、大阪府でトップクラスの年間症例数を誇る。手術に伴う体の負担の軽減にも重点を置き、冠動脈疾患や心臓弁膜症を胸部の小切開で治療するMICS(低侵襲心臓手術)もいち早く導入。現在主任部長の畔栁智司医師を中心に積極的に提供している。

 「他院ではまだあまり実施していない大動脈弁置換もMICSで行っています。右わきの下を5㌢ぐらい切開するだけなので、前から見ても全く気にならないと思います」(畔栁医師)

 大動脈弁狭窄症に対するカテーテルを使った弁置換術であるTAVIも同科が主体となって数多く手がけているほか、24時間、緊急手術にも対応できる体制を整えているという。

 「手術とカテーテル治療、どちらも豊富な経験を重ねているからこそ、柔軟な対応が可能です。これからの時代に即した、新たな心臓血管外科のスタイルといえます」と畔栁医師は話す。

 高度な技術と低侵襲な治療内容は広く知られ、同院には地域の医療機関からの紹介が増え続けている。そうした手術を、大きな合併症を起こさず実施していることもポイントだ。

  • 東上総長をはじめとした心臓血管外科のスタッフたち

DMATとして医療機関への応援も

 同院の救急体制も定評があり、年間約1万件※2の搬送を受け入れている。また同院は災害拠点病院の指定を受け、災害派遣医療チーム(DMAT)の隊員も在籍。今回の新型コロナウイルス感染症でクラスターの発生した医療機関に対して、救命救急センターから隊員の派遣も行った。

 「クラスターは災害そのものです。感染症の知識と対応経験のある医師、看護師らが発生現場に向かいました。その前線基地としての機能も担っています」とセンター長の鍜冶有登医師は話す。このような災害医療においては、普段の救急体制の延長で臨めるようにすることを重視しているという。

 「災害医療は『オールハザードアプローチ』として、あらゆる災害・症例を想定しています。それは平時でも同じこと。普段の救急医療に注力することが、災害医療の向上にもつながります」

 20年4月からは、医師や看護師を乗せたドクターカーが患者のもとへ赴く、ラピッドレスポンスと呼ばれる取り組みを開始した。当面は心肺停止や意識障害の患者に対して出動し、救命措置を行っている。

  • 常にドクターカー出動の準備が整えられている

西日本有数の内視鏡実績離島・僻地医療にも注力

 消化器がんの早期発見・治療にも重点を置き、消化器内科では、年間1万9047件※2もの内視鏡検査の実績を重ねている。同院が重要視している離島への応援も含めると年間3万5685件※2にものぼる圧倒的な症例数だ。

 「離島などの環境で若い医師が責任を持って検査にあたると、その実力はぐんと伸びます。その医師はさらに次の段階へとステップアップでき、また新しい医師が離島へと行き経験を積むといった、いい循環ができています」と話すのは院長の尾野亘医師。

 がんの中でも早期発見が難しく、進行すると治療が難しいとされる膵がんに対して、同科で積極的に取り組んでいるのが超音波内視鏡検査(EUS)だ。

 「CTなどでははっきりと映らない小さな病変でも大きく映すことができ、膵がんの早期発見に大きく役立っています。診断がつくのですぐに治療に入ることが可能になりました」

 このほか、食道・胃・大腸の内視鏡検査で見つかった病変を取り除く内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)も年間366件※2と西日本有数の実績をあげている。

  • 離島病院で先輩医師に内視鏡の指導を受けている若手医師

患者のもとへ良質な医療を届け続ける

 地域医療の中核を担う医療機関として、今後も同院にかかる期待は大きい。それに応えるべく、建設中の新館では発足と同時に、新たに消防署の救急隊を常駐させる全国的にも珍しいワークステーションを設置する予定だ。より迅速で効果的な救急医療が期待できる。

 「私たちが目指すところは、いつでも、どこでも、誰でも最善の医療を受けられる社会の実現です。そのために、これからも良質な医療を敷居低く届けていく、それが私たちの使命だと考えています」。そう東上総長は真摯なまなざしで語る。このように、同院の提供する医療の向上へのこだわりこそが、多くの患者から頼りにされる理由の一つなのだろう。

取材/河嶋一郎

総長

東上 震一

ひがしうえ・しんいち●1980年、和歌山県立医科大学卒業。90年、岸和田徳洲会病院心臓血管外科部長、2006年より同院長。日本胸部外科学会・日本心臓血管外科学会認定心臓血管外科専門医。

消化器内科
院長

尾野 亘

おの・わたる●1995年、奈良県立医科大学卒業。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本医学放射線学会認定放射線科専門医。

 心臓血管外科
主任部長

畔栁 智司

くろやなぎ・さとし●医学博士。2002年、滋賀医科大学卒業。日本外科学会認定外科専門医、3学会構成心臓血管外科専門医認定機構認定心臓血管外科専門医ほか。

救命救急センター
救命救急センター長

鍜冶 有登

かじ・ありと●1980年、大阪市立大学卒業。日本救急医学会認定救急科専門医。

医療新聞社
編集部記者の目

 大阪南部を拠点として府下全域から絶大な信頼を得ている岸和田徳洲会病院。2022年には新病棟の完成も予定され、より一層医療体制の拡充を図ることとなった。とりわけ同院では離島や僻地医療に力を入れており、治療と後進の育成の双方に力を入れているのが特長的だ。東上震一総長は「いずれ患者のもとへ出かけていく医療が中心になっていくのでは」と強調。高度な医療がどこででも受けられる日が来るのも、そう遠い話ではないように思えた。

Information

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岸和田徳洲会病院

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