「最良」で「断らない」医療を目指す技能集団

　人生100年の時代。生涯自分の脚で元気に歩き、寝たきりにならないことが大切だ。健康寿命の延伸へ、浜田山病院では患者一人ひとりに合わせた最適な医療提供を心がけており、整形外科領域では２０２４件※1もの年間手術実績を誇る。「高度な医療で愛し愛される病院」が理念の浜田山病院には、その医療を求め、日本全国から患者が訪れるという。

　「医師にとって最も大切なことは治療の腕だと考えています。そのため当院では顧問に今給黎篤弘医師（東京医科大学名誉教授）をはじめ、各分野のスペシャリストを迎え、最善の治療を追求しています」と小瀨忠男院長は語る。

　小瀨院長自身も、幅広い整形外科領域に対応するための研鑽を積んだスペシャリストだ。より迅速で質の高い手術を目指すとともに、患者に合わせた「オーダーメイドの治療」提供にも注力。「断らない医療を基本ベースに、患者さんのご要望には最大限お応えできるよう努めています」

　他の医療機関で治療を断られた難症例や、宗教上の理由で輸血が難しく治療を断念した症例なども積極的に受け入れる。特に高度な技術が必要な無輸血手術に注力し、術前の自己血貯血や術中の自己血回収システムも導入している。

　診療内容としては、首・腰などの脊椎脊髄疾患の手術、膝・股関節などの人工関節置換術、スポーツ整形の関節鏡視下手術のほか、アスリートや音楽家の整形疾患など幅広い治療に対応。来院者の主訴もさまざまだ。また、脊椎圧迫骨折への低侵襲治療のＢＫＰ（経皮的椎体形成術）や、腱板が修復困難な肩腱板断裂にも著効が望めるリバース型人工肩関節置換術、股関節の温存が期待できる寛骨臼回転骨切り術にも注力し、脳脊髄液漏出症への硬膜外自家血注入療法（ブラッドパッチ療法）※2にも対応。手術の安全性と精密性のさらなる向上へＣＴ撮影データによるナビゲーションシステムや脊髄誘発電位測定システムなども導入している。

　患者の時間的制約を軽減するため、受診当日にＣＴ・ＭＲＩ検査が実施できる体制も整備。患者が来院したその時に迅速な検査・診断を行うことで、より良く的確な治療結果を目指せると考えている。

　そのほか、閉所恐怖症にも配慮したオープンタイプのＭＲＩの導入など、ホスピタリティ面の充実にも注力。「患者さんの多くが、少ない回数で済む検査・治療や、素早く漏れない治療結果を望んでいます。そうした患者さん目線での診療にこだわり、即時検査・処置などを目指しています」

• 鮮明な最新の3D画像が撮影可能。予約なしで当日MRI・CTの撮影・説明を実施
• 閉所恐怖症の方にも配慮した開放感のある静かなオープンタイプのMRI。予約なしで当日撮影・説明が可能

治療後のＱＯＬ向上へ術後のリハビリにも注力

　「入院中はもちろん、退院後のリハビリテーションプログラムにも力を注いでいます。外傷も疾患も良い手術さえすれば治るというものではありません。検査・治療からリハビリまで、一貫かつ充実したフォローが診療方針です」

　どこまでも患者第一で、さまざまな充実の治療提供を目指す小瀨院長。症例と結果を見据えて、最適な治療方針を目指し、近年では血小板再生医療にも注目している。「今日より明日へ。治療のさらなる質向上と最善の結果を目指し、研鑽の毎日です」。終始、やさしく微笑む小瀨院長。喩えるならば、職人気質の「整形外科の匠」の佇まいが感じられた。
※1 2018年1月～12月 ※2 ブラッドパッチ療法 自由診療：7万円（税込）

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• 広くて明るいリハビリ室。優しく丁寧で熟練した理学療法士を中心に総勢15名。外来・入院・術後の運動療法を積極的に

取材／杉本富士孝