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日本医科大学付属病院 心臓血管外科

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脈々と受け継がれてきた技術と、
臨床・研究が融合した
心臓血管外科手術

高度な救命医療とともに低侵襲の心臓疾患治療を

 心臓手術の黎明期から心臓血管手術に取り組んできた日本医科大学心臓血管外科。半世紀以上にわたって脈々と受け継がれてきた心臓外科の技術と、臨床・研究が融合した大学病院ならではの医療は、日本の心臓外科治療の発展に大きく貢献してきた。

 救急医療でも全国に名を馳せる同院は、東京都の第3次救急医療施設として24時間365日、あらゆる心血管疾患に対応し、生命の危機に瀕した症例の治療にあたる。「学是である『克己殉公』(我が身を捨てて、広く人々のために尽くす)の精神のもと、各分野のスペシャリストが集結し、強力なタッグを組んで救急医療・一般治療に取り組んでいます」と石井庸介医師。近年、注目度の高い低侵襲心臓外科手術(MICS)にも力を注ぐ。

 「従来の冠動脈バイパス術や弁膜症などの手術は、胸部を大きく切開していましたが、MICSは肋骨と肋骨の間を5㌢程度切開して行います。この術式は、体への負担が少ないゆえに回復が早く、早期に社会復帰をしたい方、高齢で体に負担をかけたくない方などに良い適応です」

 経カテーテル大動脈弁植込術(TAVI)やステントグラフト挿入術などの低侵襲な術式も循環器内科、放射線科と精緻に連携し実施している。

 一方、不整脈外科治療では30年以上の歴史と実績を誇るパイオニア的存在だ。心房細動手術(メイズ手術)は通年、全国各地の医療機関から数多くの紹介患者が訪れる。冠動脈バイパス術も国内有数の手術数を重ねるが、特筆すべきは術後の代謝を負荷心筋シンチグラフィーとCT画像を組み合わせた心臓立体画像で評価している点だ。心筋に血液が十分行き渡っているかを明瞭に確認でき、回復の度合いを精度高く評価できる。

 「分け隔てのない医療」を理念とする同科。他科の医師同士の仲が良く、患者にとっても親しみやすい環境が醸成されている。「外科手術に偏ることなく、内科的治療とのバランスを考え患者さん本位の最良の治療を目指します」

取材/冨永雅裕

副院長・心臓血管外科 主任教授 

石井 庸介

いしい・ようすけ●1993年、日本医科大学卒業。日本胸部外科学会・日本心臓血管外科学会認定心臓血管外科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本不整脈心電学会理事ほか。

医療新聞社
編集部記者の目

 同院は大学病院として200、300もの近隣医療機関と連携を図りながら、地域医療を展開。手術をしたら終わりではなく、その後もしっかりフォローすることが重要――との方針から、患者を中心に据え、かかりつけ医、大学医師の主治医2人体制で手術後を手厚くフォローしている。「患者さんご自身もチームの一員です。受け身ではなく、医療者と一緒に治療に取り組んでいただくことが大事です」と話す石井庸介医師。このチーム力を高めるためにも、常日頃から病院全体で患者が親しみやすい環境を心がけている。これからも患者との「気さくな関係」を大切にしながら、高度かつ最新の医療を地域に還元していく。

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