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新百合ヶ丘総合病院

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椎間板ヘルニアに低侵襲の
体に負担の少ない内視鏡手術を

気にならないほどの傷あとしか残らない

 「20年ほど前まで椎間板ヘルニアの外科手術の傷あとは約15センチメートルありました。私どもの顕微鏡手術なら約3㌢、内視鏡手術なら主に7~16㍉の内視鏡を使いますから、体への負担が少ないのです」

 と話すのは新百合ヶ丘総合病院脊椎脊髄末梢神経外科部長の水野順一医師。脊椎脊髄関係の内視鏡手術のエキスパートで、同病院低侵襲脊髄手術センターをリードしてきた。新百合ヶ丘総合病院は2012年8月の開設以来、「すべては患者さんのために」を掲げ、患者に寄り添った医療サービスを提供してきた。低侵襲脊髄手術センターも年間約600件の手術を行っている(2020年度)。

 水野医師は1990年代に米国のエモリー大学で顕微鏡手術を学んだ。2011年に立ち上げた顕微鏡・内視鏡手術に関する研究会は2021年、低侵襲・内視鏡脊髄神経外科学会へと飛躍、多くの中堅・若手医師が参加している。同学会は日本脊髄外科学会とともに脊椎内視鏡認定医輩出の中核的役割を果たしている。事務局は新百合ヶ丘総合病院に置かれている。

 低侵襲とは体に優しいという意味。日本では脊髄の内視鏡手術は11年前、本格的に導入された。骨に囲まれた脊髄の内視鏡手術は術野が狭く、高い技術が必要とされる。

 椎間板ヘルニアは脊髄や腰の神経に関係しているため、一層繊細な技術が求められる。たとえば腰椎椎間板ヘルニアの場合、腰を構成する骨と骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板が腰へ負荷がかかることで突出しヘルニアになる。ヘルニアによって神経が圧迫されると、腰や足に激しい痛みやしびれが生じる。

  • 高度な技術が必要とされる内視鏡手術

痛みを我慢せず、早めの受診がポイント

 痛み止め薬の服用などで症状の改善がみられない場合、手術療法でヘルニアを摘出する。同センターでは椎間板ヘルニアに対して体に負担の少ない顕微鏡手術と、さらに負担の少ない内視鏡手術を行っている。

 椎間板ヘルニアの顕微鏡手術は骨についている筋肉を、いったん切って剥がさなければならない。痛みもあり、退院まで4~5日かかる。内視鏡手術は、その作業が必要ないので、痛みも出血も少なく、手術が順調に終われば2~3泊で帰宅できる。傷口は市販のばんそうこうで隠せるくらい。しかも保険適用の対象だ。

 「ヘルニアは長時間経過すると硬化し、内視鏡手術での摘出が難しくなります。痛みを我慢せずに、早めに受診していただくことがポイントです」(水野医師)

脊椎脊髄末梢神経外科 部長

水野 順一

日本脳神経外科学会認定
脳神経外科専門医

医療新聞社
編集部記者の目

 低侵襲脊髄手術センターでは重度の椎間板ヘルニアの患者に対して顕微鏡手術と内視鏡手術を行っている。いずれも低侵襲手術だが、比較すると顕微鏡手術は内視鏡手術に比べて切開創が大きく、いったん筋肉を切ってはがさなければいけないので、結果的に入院日数も長くなる。ヘルニアは最初やわらかいが、時間が経つと固くなるので、内視鏡手術では取り除くのが難しくなるのだ。水野医師が早めの受診を呼びかける理由でもある。

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