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ICHI Clinic

イチクリニック

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地域医療機関と連携し
重症患者を中心に
24時間いつでも迅速対応

安全性を重視した在宅輸血への取り組み

 ICHI Clinicの朝は午前9時からのカンファレンスで始まる。毎週月曜には勉強会を実施し、スタッフの資料作成やプレゼンスキルの学びの場を設けている。

 初診では1時間ほど、定期訪問では30分程度時間をかける。状態によっては1時間以上かかることも珍しくない。「在宅療養される患者様や、そのご家族は不安や孤独を感じている方が多く、訪問の際は診察だけでなく、日常生活のお話や世間話で少しでも雰囲気が和むよう心がけています」と市川医師は話す。

 また、在宅輸血療法にも取り組んでいる。輸血ができればADL(日常生活動作)がある程度保たれるという患者は多いが、在宅輸血療法に取り組むクリニックは少ない。血液内科医である市川医師は、学会が推奨する輸血ガイドに準拠しながら関連各所と連携して在宅輸血を実施している。中でも血液製剤の温度管理には気を配り、車内でも輸血専用の保冷庫(ATR)を用意するなど徹底している。穿刺は必ず医師が実施し、輸血中は常時看護師が同席し経過観察を行う。

家族ケアを重視した診療スタイル

 市川医師は、2015年から在宅医療に携わっている。初診では、サルコペニアの評価、褥瘡リスク評価、マットレスを含む福祉用具の提案、認知機能評価など多岐にわたり、その情報をケアチームで共有することで在宅療養をサポートしている。

 また家族ケアは特に重要視している。「『主たる介護者の心の健康調査』で、実に7割の方が抑うつ状態であるというデータを目の当たりにして、患者様が穏やかな在宅療養を送るための支援同様、それを支えてくれる家族のケアは非常に重要だと感じています」と市川医師。

 在宅療養を支える家族の話にじっくりと耳を傾け、労を労うことで家族の心のケアを図っている。開院以来53名を在宅で看取ってきた※が、家族の「死別による悲しみや喪失感からの立ち直り」をケアする、グリーフケアへの取り組みにも意欲的である。

※2020年4月〜2021年7月

文/岡林 秀明

院長

市川 訓基

いちかわ・くにもと●茨城県出身。2005年、順天堂大学医学部卒業。日本血液学会認定血液専門医。日本内科学会認定総合内科専門医。

医療新聞社
編集部記者の目

 拠点をJR総務線平井駅から徒歩数分のところに置く。訪問可能エリアは墨田区全域と江戸川区・江東区・墨田区の一部という、いわゆる東京の城東地区だ。開業にあたっては城東地区で在宅診療の経験を積んできたことに加え、同地区で在宅輸血のできる在宅医療機関が少ないことを念頭に置くなど戦略的な発想に基づいて決断した。臨床だけでなく、研究、教育にも熱心に取り組み、在宅診療の新たな地平を開拓しつつある。

Information

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〒132-0035
江戸川区平井5-21-3 ガーデン欣志ビル

診療科目:内科、腫瘍血液内科、外科、心療内科

TEL.03-6657-2820

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