• 三重県

医療法人SIRIUS

いしが在宅ケアクリニック

  • 動画あり

誰もが在宅医療を選択できるよう
在宅緩和ケアの「四日市モデル」を
日本全国に広げていく

患者を楽にするケアとコミュニケーションを重視

 三重県四日市市山城町の緑豊かな道を抜けると、いしが在宅ケアクリニックの新社屋が見えてくる。2020年3月に竣工した、この建物は、中部・近畿地方の在宅医療の研修拠点とすべく建てられた。

 同クリニックでは09年7月の開業から21年6月までに、3000人以上の在宅看取りを行ってきた。現在は常勤8名、非常勤3名の医師が1日に6~10人程度、月に約680人※に対して訪問診療を行う。

 電子カルテでの情報共有を徹底し、時間外はすべて常勤医師が当番で対応する。全スタッフがしっかり休める体制をとることで、医療の質が上がるほか、訪問診療で重要な患者との会話でも幅広い話題に対応できるようになる。「緩和ケアで大切なのは、患者さんが楽に生活できるようにすること。そのためには高い医療技術とコミュニケーション能力が求められます」と理事長の石賀丈士医師は語る。

  • 新社屋は患者家族の交流・憩いの場も目指している

在宅医療の普及のために後進育成・地域連携に力を入れる

 医師全員が質の高い在宅医療を提供できるようにするため、石賀医師は指導・研修を欠かさない。技術習得のために遠方からも医師が集まり、在籍していた医師が中部・近畿地方を中心に全国各地で独立し、活躍している。

 また医療依存度の高い患者を主に同クリニックが担当し、それ以外の患者は地域の開業医が診るという「四日市モデル」を確立。地域全体の在宅医療・在宅看取りの普及につながった。さらに講演会や小中学校での「いのちの授業」などを通して、地域住民の在宅医療への意識も高めている。

 「現在の日本では病院死がほとんど。在宅看取りを選びたくても選べない状況です。誰もが自分の死のあり方を選択できる医療体制を築いていきたい」と石賀医師は力を込める。

※ 2021年6月実績

文/高橋美森

理事長

石賀 丈士

いしが・たけし●2001年、三重大学医学部卒業。同大学医学部付属病院第二内科、山田赤十字病院(現・伊勢赤十字病院)、しもの診療所所長などを経て、09年、いしが在宅ケアクリニックを開設。10年、医療法人SIRIUS理事長に就任。

医療新聞社
編集部記者の目

 2020年3月に完成した、いしが在宅ケアクリニックの新社屋。明るく広々とした建物は全国の在宅医の研修会場とするだけでなく、患者家族の憩いの場とするべく建てられた。中には講習会を行えるスペースだけでなく、卓球台や滑り台などのさまざまなレクリエーション設備も用意されている。コロナ禍の影響で今はクリニックスタッフ以外が集まる機会はなかなかないが、患者や家族とともに時間を過ごせる日が待ち遠しい。

Information

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いしが在宅ケアクリニック

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三重県四日市市山城町749番地37

TEL.059-336-2404
FAX.059-336-2405

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