• 兵庫県

赤坂クリニック

血液がん患者への在宅輸血で
自宅で家族と過ごす
穏やかな時間を提供

さまざまな工夫で数多くの在宅輸血が可能に

 全国的に見ても在宅輸血を行う医療機関は少ないが、神戸市の赤坂クリニックでは年間1800件余り※1もの在宅輸血を行う。

 赤坂院長は同クリニックの開業前、血液内科医として造血幹細胞移植治療に携わってきた。現在は訪問診療で70人※2の血液がん・血液疾患の患者を診ている。

 1日に平均2チームが稼働し、各チーム3件程度※3の在宅輸血に取り組む。開業からの8年間、異型輸血や重篤なアレルギー反応のような事態が起こらないよう、細心の注意を払ってきた。

 輸血製剤は成分ごとに、赤血球、血小板、血漿の3種類にわかれる。赤血球の場合、患者の血液と適合しているか何度も確認を重ねる。血小板はアレルギーが起こりやすいため、予防のために抗ヒスタミン薬やステロイド剤などの事前投与を行う。抗がん剤治療の影響で末梢血管からの輸血が難しい場合、CVポートから輸血を行う。

 病院など外部との協力体制も重視。多くの患者に1カ月に一度は主治医による診察を受けてもらい、カルテを共有するなど併診の体制をとっている。また同クリニック併設のスナメリ訪問看護ステーションが在宅輸血や抗がん剤治療をサポートし、地域の訪問看護ステーションと協同でケアにあたる。

  • 適切な管理のもと、在宅輸血を実施する

患者とその家族に寄り添いいい時間を過ごしてもらう

 「血液疾患の患者さんの多くは、在宅輸血さえできれば自宅に帰ることが可能です。また最期の大切な時間をご家族と過ごすことができます」と赤坂院長は語る。末期の血液がん患者に対しては、毎日訪問することもあり、自宅で過ごす患者に深く寄り添っている。

 より広範囲の患者を診るために、2022年4月には大阪にもクリニックを開設する。「ゆくゆくは全国の医師と連携して、在宅輸血のシステムを作り上げていきたいですね」と赤坂院長は抱負を語る。

※1 2020年4月~2021年3月 ※2 2021年6月末日現在 ※3 2021年6月平均

文/高橋美森

院長

赤坂 浩司

あかさか・ひろし●1991年、熊本大学医学部卒業。兵庫県立尼崎病院、京都大学医学部附属病院、大阪赤十字病院、神鋼病院(現・神鋼記念病院)を経て、2013年、赤坂クリニックを開業。

医療新聞社
編集部記者の目

 血液がんの患者への在宅診療を行う赤坂クリニック。開院を決意した理由として「血液がんの患者さんが好きだから」と赤坂院長は繰り返し話した。時折写真や動画も見せていただきながら患者とのエピソードを伺えば伺うほど、真摯な思いが伝わった。終末期の血液がんの患者は在宅輸血ができればADLを保って自宅で過ごせる。だからこそ「在宅輸血のシステムを全国に広げたい」と未来を見つめる赤坂院長のまなざしは温かかった。

Information

赤坂クリニック

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