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医療法人社団 やすらぎ会

神奈川中央病院

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認知症の患者と家族に寄り添い
 地域住民から親しまれる病院へ

より多くの患者を速やかに受け入れる体制を構築

 2017年2月、神奈川県厚木市に認知症に特化した神奈川中央病院が開院。180床と入院設備も充実し、厚木市内のみならず近隣のエリアからも患者が訪れる。

 同院は、症状が重い患者をより多く受け入れる体制を構築している。基礎疾患がある、重度の認知症であるなど入院が難しい患者も対象になった。医師とスタッフが密にコミュニケーションをとって患者の情報や治療方針を共有し、一貫した対応も心掛けている。

 注目すべき点は、入院までのスピーディさだ。自宅や高齢者施設、急性期病院にいる患者の症状の程度を家族やかかりつけ医の話から判断し、場合によっては相談や紹介を受けた当日に入院を受け付けるケースもある。また初診の患者にもCT検査・神経心理学検査から、患者本人や家族に対する詳細な問診、認知症の診断までを同日に行う。

 他の医療機関や高齢者施設との連携を重視していることも特徴だ。患者が急性期病院での治療を終えて転院してくることもあれば、逆に同院の診察で他の診療科での治療が必要な疾患が見つかり紹介することもある。地域のクリニックに通う患者の症状が安定しなくなった場合には、入院患者としての受け入れも積極的に行っている。

 21年2月に着任した能登雅明院長は次のように話す。「患者さんに幅広く対応できるようになることで、新たなやりがいと連帯感が生まれてきました。スタッフの意識が変化してきていることも、うれしく思っています」

患者が快適に過ごすためにコミュニケーションを重視

 認知症の改善には家族や周囲の人たちとのコミュニケーションが重要。入院患者の人間関係にも気を配り、快適に過ごしてもらうことで症状の安定を図っている。平時は積極的に面会を受け付け、コロナ禍の現在でもビデオ通話を利用した家族とのオンライン上での面会を実施。また今まで患者のケアに心を注いできた家族を、医師やスタッフが労わることも忘れない。

 「今後もできる限り断らずに、多くの患者さんを受け入れたい」と熱いまなざしで能登院長は語る。未開放フロア60床分のオープンに向けて、入院患者を多く受け入れる準備を進めている。また認知症を早期発見できるよう啓発活動も計画中だ。これからも地域住民の穏やかな生活を守るため尽力する。

文/高橋 美森

院長

能登 雅明

日本精神神経学会認定
精神科専門医
精神保健指定医

医療新聞社
編集部記者の目

高齢になれば誰しもが発症する可能性のある認知症。能登院長が病院全体の一番の目標として掲げているのは「患者のみなさんに日々を穏やかに生活してもらう」こと。取材ではその実現のために新たな体制を構築していることだけでなく、患者のこころへの配慮や介護を続けてきた家族への労りを大切にしていることも、繰り返し語っていた。笑顔を絶やさない穏やかな話しぶりの中にも、能登院長の患者への思いが伺えた。

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