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村山医療センター

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脊椎脊髄疾患のエキスパートが
高度な治療技術で患者に資する

総勢13名の脊椎外科医が適正な治療を追求

 高度な技術と豊富な経験で脊椎脊髄治療の中核を担う村山医療センター。脊椎脊髄手術実績は年間1207件。神経の圧迫をとる椎弓切除・椎弓形成の手術数は500件にのぼる。※

 「低侵襲で患者さんの負担が少なく、苦痛をしっかり取り除く手術方法を選択することが1番大切です」と古川満医師は話す。治療の第一選択は保存療法。痺れや痛み で日常生活に支障をきたす場合には手術を検討する。椎体を固定(固定術)しなくても、神経の圧迫を取り除く除圧術を行うことで症状が改善するケースは多い。

 手術適応は複数の医師が参加するカンファレンスで検討をする。脊椎外科医は総勢13名。一つひとつの症例に、手術の適応から治療法の選択まで忌憚のない意見を交わす。

 「13人いれば意見が違うこともありますが、担当医の考えに加え、意見交換し検討することで、患者さんにとって、より適正な治療の選択が可能になると取り組んでいます」と多角的な観点から決定しているという。

 手術では低侵襲手術を採用することが多い。一般的な頸椎の手術では後方を大きく切開し、骨から筋肉を剥がし行うため、術後に首の痛みが生じるなどのリスクがあるが、同院が行う選択的椎弓形成術では最小限の切開で最大限、筋肉を温存することができる。腰椎では内視鏡手術を取り入れている。

 従来の手術では背中を約5㌢切開するが内視鏡手術では18㍉ほどに抑えることが可能だ。いずれの術式も顕微鏡下や内視鏡下で行うため、狭い視野の中での緻密で高度な技術・修練を要する。「傷の大きさや、筋肉へのダメージを抑えることで、早期回復が見込めますし、傷が小さければ患者さんも精神面で安心していただけます」と一貫して患者ファーストの高度な治療を実践している。

脊椎脊髄部門医長

古川 満

整形外科学会認定
整形外科専門医

医療新聞社
編集部記者の目

インタビュー終了後に朗報が飛び込んできた。京都大学iPS研究所(CiRA)から供給された臨床グレードのiPS細胞から誘導された神経幹細胞が慶應義塾大学で脊髄損傷患者に移植され、その経過観察を村山医療センターが担うことになったのだ。脊髄損傷は、これまで有効な治療法がなく、患者は車いすや寝たきりの生活を余儀なくされてきた。今回の研究によって移植後の有効性や安全性が確認できれば、大きな一歩となる。

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椎弓切除・椎弓形成 500件
後方椎体固定 235件
脊椎側弯症手術(固定術)38件
※2019年4月~2020年3月

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