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医療法人社団 英明会

大西脳神経外科病院

20年以上にわたって東播磨医療圏の
脳脊髄神経系疾患医療に貢献

新しい機材を駆使しチーム一丸で治療にあたる

 兵庫県明石市の郊外に立地し、脳卒中を中心に脳神経外科全般において地域医療を支えているのが大西脳神経外科病院だ。24時間365日、脳疾患の救急患者を受け入れる体制をとっている。

 「脳卒中医療はチーム医療です。一日も欠かさず対応しないといけませんから、そのための人材確保とチーム医療の体制作りが非常に重要となってきます。2016年に私が着任したときに、医師のほか放射線技師、看護師、薬剤師、リハビリスタッフなどで超急性期脳卒中診療に専属であたるチームを編成しました。このチームで診療にあたることが、よい治療結果に結びついていると思います」と大西宏之副院長は語る。

 チーム編成のための人材育成にも、力を入れている。院内での勉強会や全国学会にコ・メディカルも含めて参加するなど、チーム全体の知識の共有を図っている。また治療したほぼすべての症例について、その都度チームカンファレンスにかけて治療経過を検証する機会を必ず設けるようにしている。

 もちろん新機材の採用にも余念がない。これまではCTやMRIで診断してからカテーテル治療を行っていたが、最近導入した脳血管撮影装置では、この装置のみで診断がつけられるので、前段階をスキップすることができる。これによって、脳卒中治療のスピードがよりアップし、患者の予後にも好影響が期待できる。

 このように、進んだ技術と優れた人材の両輪がうまく嚙み合って適切かつ迅速な脳神経外科治療が日々進められている。

精緻な手技が活きる低侵襲な脊椎・脊髄治療

 同院では脳神経外科の技術を活かし、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった脊椎・脊髄の疾患の治療にも力を入れている。

 患者が来院した当日にMRI検査、レントゲン検査、CT検査、骨塩定量検査などを駆使し、できるだけ速やかに診断を下す。その上で、すべての手術で内視鏡および顕微鏡を使用して、精密かつ低侵襲な治療を行い、患者の早期離床を進めている。

 また高齢化により増加している骨粗鬆症椎体圧迫骨折には、経皮的バルーン椎体形成術(BKP)によって対応している。そのほか、難治性疼痛には脊髄刺激療法など、さまざまな治療法を用意している。

 山本慎司脊椎・脊髄センター長は自らの治療に対するモットーとして、次のように語っている。

 「患者さんは何かしらお困りのことがあって来院しているわけで、実際何を困っているのか、どうすれば患者さんが幸せになれるのか、症状とか病気の状況とかだけでなく、社会的背景や体の状態を踏まえて長く満足してもらえる治療法を患者さんと相談しながら進めていくことを心掛けています」

急性期から回復期まで院内でシームレスに移行

 院内に充実した回復期リハビリテーションセンターを持っていることも大きな特長だ。患者の電子カルテを診療科と共有しており、患者の病態からバイタルまで正確に把握した上でリハビリに臨める。

 また急性期の段階から理学療法士が治療に加わる。これは意識障害を起こした脳卒中患者が唾液などを肺に飲み込んで誤嚥性肺炎を起こさないよう、喀痰を促すなど、肺理学療法を行うためである。

 久我純弘院長は同院の強みや特長を次のように語っている。

 「脳神経外科というと、やはり救急が中心となります。当院では、全ての救急を断らないというのが基本方針です。当院は単科病院で規模は小さいですが、その分フットワークが軽い。そしてMRIを4台備えていますが、常に1台は24時間稼働させています。またパーキンソン病や高齢化社会によって増加する脊椎系の疾患に対して、脳神経外科の強みとして繊細な治療を行うことができるので、こうした特長を活かして今まで以上に地域医療に貢献していこうと思っています」

 ますます充実していく同院の医療体制。今後さらにスピーディでありながら患者負担の少ない治療に磨きがかかっていくことだろう。

  取材・文/牧野晋一

院長
回復期リハビリテーションセンター長

久我 純弘

くが・よしひろ●医学博士。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医、日本脳神経外科学会代議員ほか

副院長
脳神経外科部長
脳血管内治療主任部長
脳卒中センター長

大西 宏之

おおにし・ひろゆき●医学博士。大阪医科大学臨床教育准教授。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医ほか

脳神経外科部長
脊椎・脊髄センター長

山本 慎司

やまもと・しんじ●医学博士。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医ほか

医療新聞社
編集部記者の目

兵庫県明石市郊外に立地する大西脳神経外科病院は、脳卒中をはじめとする救急医療に重点を置き、24時間365日、常に対応できる体制を整えた。最新設備はもちろん、脳卒中治療にかかわる医師・スタッフの育成に注力。ハードとソフトの両面のレベルアップを常に行っている。また脳神経外科の技術を活かし椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった脊椎・脊髄疾患の治療にも力を入れている。

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大西脳神経外科病院

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