不整脈疾患には、心房細動、発作性上室性頻拍、期外収縮、心室頻拍、房室ブロックなど20以上の疾患が含まれます。特に心房細動は加齢とともに発生頻度が増えて持続するようになるため、高齢化社会となり、さらに患者数が増加すると予想されています(※日本脳卒中協会HPにてhttp://www.jsa-web.org/citizen/94.html)。心房細動は心不全や脳梗塞・血栓塞栓症を引き起こす場合があり、症状の有無に関わらず寿命を縮める可能性が高い疾患です。しかしながら、近年のカテーテル心筋焼灼術（アブレーション）などの進歩により、多くの不整脈疾患が治療可能となりました。

　当院では新しい機器や処置方法を積極的に導入し、複数の不整脈治療医と経験豊富な各スタッフとで連携しながらアブレーション治療を行っています。地域の医療機関の先生方からも多くのご紹介をいただいています。アブレーション件数は年250例以上に増加し、新潟県内ではハイボリュームセンターの一つと言えるでしょう※。症例数の増加とともに経験と治療データが蓄積され、周術期の合併症の減少に寄与しています。また、患者様の負担を減らすため、入院待機期間や入院期間の短縮、処置中の十分な鎮静・鎮痛などを行っています。

　今後も地域の不整脈診療の充実にむけて尽力していきたいと考えております。

※2019年213例、2020年272例、2021年300例(いずれも1～12月)