- 千葉県
社会医療法人 明陽会
成田記念陽子線センター
- 動画あり

ピンポイントな照射法で
患者に負担をかけない、がん陽子線治療
交通至便な医療機関で陽子線治療を実践
東海道新幹線の停車駅である豊橋駅から徒歩3分の好立地にある、成田記念陽子線センター。その名の通り、がんの陽子線治療に特化した医療機関だ。
「アクセスが抜群で、近隣だけでなく東海エリア全域や、関東、関西、中四国、九州などからも患者さんが訪れます」とセンター長の芝本雄太医師は話す。
陽子線治療とは放射線治療のひとつ。水素の原子核である陽子を加速させることでエネルギーを生じさせた陽子線を患部に照射する。がん細胞のある位置で集中的にエネルギーを放出させることが可能なため、正常な細胞にあたる放射線量が少ないことが大きな特徴。
照射方法はすべてのがんでスキャニング照射法を採用。4~6㍉の細かいビームを、患部をなぞるようにあてることで、よりピンポイントで精緻な照射が可能となった。
陽子線治療が難しいと診断された場合、同法人の成田記念病院でのトモセラピー治療(X線をピンポイントに照射する治療法)など、他の放射線治療を提案している。
スキャニング照射法で治療を行う
2022年4月に保険診療の対象広がる
16年4月から小児がん、18年4月から切除できない骨軟部腫瘍、一部の頭頸部がん、前立腺がんで、陽子線治療が保険収載された。
同センターでも前立腺がんの患者を多く治療する。照射回数は全12回。週4日、3週間の通院で治療が完了する。働きながら通う患者も多い。治療後の経過について芝本医師は次のように語る。
「特に前立腺がんでは尿漏れや男性性機能障害などの副作用も少なく、治療後のQOL(生活の質)の維持が期待できます。再発率も低く抑えられています」
22年4月には、局所進行膵がん、4㌢以上の肝細胞がん、肝内胆管がん、 手術後に再発した大腸がんにも保険適用が拡大された。
「保険収載で患者さんの経済的な負担は軽減されます。ただ、保険収載されていない他のがんも、民間保険の先進医療特約を利用して少ない自己負担額で治療を受けられるケースがあります。当センターでも肺がんなどで通院されている患者さんがいらっしゃいます。病院のHPなどをお調べになってから、ご自身に合った治療法を選択していただければと思います」(芝本医師)
センター長
芝本 雄太
1980年 京都大学医学部卒業
名古屋市立大学名誉教授
日本放射線腫瘍学会第32回学術大会長

医療新聞社
編集部記者の目
近年注目を集める、がんの陽子線治療。2022年4月に、保険収載されるがんの種類が増え、より多くの患者が治療を受けやすい環境が整った。成田記念陽子線センターは新幹線の停車駅である豊橋駅からのアクセスもよく、治療数の多い前立腺がんでは全12回での照射も実施するなど、通院するにあたっての患者の負担が少ない。センター長・芝本雄太医師も、施術数が増えると予想。今後の治療の広がりに期待したい。
Information
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