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医療法人 徳洲会

湘南鎌倉総合病院
先端医療センター

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神奈川・東京で初の
陽子線治療施設が誕生

X線の経験を踏まえ陽子線治療で地域に貢献

 湘南エリアを代表する総合病院として名高い湘南鎌倉総合病院。さらなる高度医療提供のため、2021年4月に先端医療センターがオープンした。包括的ながん治療や再生医療などに幅広く取り組む。

 22年1月からは、がんの放射線治療として注目される陽子線治療を神奈川県で初めて開始。都心から最も近い陽子線治療施設だ。

「陽子線は一点に放射線を集中させることができるという物理的な特徴があり、周りの細胞に放射線を当てないピンポイントな照射が可能です。副作用を抑えることにつながります。生物効果はX線に近いため、新しい治療法ではあるもののX線治療の経験や蓄積したデータなどを生かして治療を行うことができます」と陽子線治療部長を務める德植公一医師は語る。

 治療は前立腺がんからスタートし、今後は他のがんにも対象を広げていく予定だ。照射方法は最新のスポットスキャニング法を採用。これにより、がんの形状に合わせて陽子線を当てることができる。

 肺がんや食道がん※などの呼吸で患部が移動するがんに対しては、呼吸同期システムやリアルタイムトラッキングなどの、呼吸のタイミングに合わせて照射する技術を導入している。

  • 照射設備の小型化に成功した、新たな装置

総合病院の強みを生かしたがん治療の実践

 設備の充実は照射システムだけにとどまらない。同センター内の陽子線照射室の近くにはPET︲CT装置がある。施術の前後に画像診断を用いて、照射箇所をすみやかに確認できる。

 総合病院だからこそのメリットもある。「がん患者さんはご高齢の方が多く、糖尿病や高血圧など他の疾患の治療を受けていることも珍しくありません。他の診療科とも連携して、全身状態に配慮した治療を実施しています」と德植医師。

 照射中は痛みやかゆみなどもなく、15分程度横になっているだけで完了する。通院で治療を受ける患者がほとんどで、生活スタイルを変える必要がなく、仕事が継続できるケースも多い。

 陽子線治療を担当する医師3名と診療放射線技師、医学物理士らの連携も重視。「スムーズに治療を開始できるよう、事前準備の段階からコミュニケーションを重ねて臨んでいます。また、患者さんが理解を深めるための情報共有も心掛けています」と德植医師は穏やかに話す。

※肺がん、食道がんの陽子線治療は先進医療

放射線腫瘍科 陽子線治療部長
先端医療センター センター長補佐
東京医科大学 兼任教授・名誉教授

德植 公一

医療新聞社
編集部記者の目

湘南エリアでも有数の総合病院である、湘南鎌倉総合病院。2021年4月にオープンした先端医療センターでは包括的ながん治療や再生医療などを提供し、22年1月には陽子線治療も開始した。長年、陽子線治療に携わってきた德植公一医師が着任し、一点に放射線を集中させるという陽子線の特徴を生かした、ピンポイントながん治療を実施。神奈川県内だけでなく、都内から訪れる患者もいる。同院はますます地域医療を支えていくだろう。

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