• 東京都

公益社団法人 地域医療振興協会

東京北医療センター

抗体を造る白血球が腫瘍になる以外にも
多くの細胞に異常が生じ得る全身疾患
抗腫瘍剤、造血幹細胞移植、新規免疫療法等
目を見張る進歩が目白押し!

 多発性骨髄腫は、感染に対する抵抗力を担う白血球が、細胞分裂に失敗し、腫瘍細胞になる疾患の一つです。腫瘍細胞が骨髄と血中にある白血病や、リンパ節等にあるリンパ腫とは異なります。感染罹患後やワクチン後に得る免疫力の一部は、血中蛋白質の約1/6の抗体が担います。抗体産生白血球である形質細胞の腫瘍が骨髄腫です(形質細胞以外の間質細胞等の異常もある)。多数の骨髄で腫瘍化した形質細胞(骨髄腫細胞) を認めることが多く、一般に多発性骨髄腫と呼ばれます。正常形質細胞は骨髄細胞の約1%のみですが、骨髄腫では、骨髄腫細胞が増え、造血が落ち、血球減少と抗体低下が生じます。骨髄腫細胞から単一種の抗体様蛋白(M蛋白)が造られます。M蛋白の破片が臓器沈着すると(アミロイド蛋白)臓器障害に至ります。骨髄腫細胞由来溶骨成分で骨障害と高Ca血症が生じます。M蛋白やCaの腎沈着等多要因で腎障害を生じます。その他粘稠度上昇、高NH3血症、内分泌障害等諸症状を認めます。治療は抗腫瘍剤、幹細胞移植、ステロイド、分子標的療法、抗体療法やCar-T細胞療法等の免疫療法等で、進歩が著明です。

国際骨髄腫先端治療研究センター
(IMC-ART)センター長
東京北医療センター顧問 血液内科科長

三輪哲義(医学博士)

日本血液学会認定
血液専門医
国立看護大学校
非常勤講師

1976年3月東京大学医学部医学科卒業
東京大学医学部第3内科自治医科大学医学部血液学教室講師
国立国際医療研究センター高度先進医療部長
2011年日本骨髄腫学会長などを歴任し現職
全国各地での骨髄腫領域の講演多数及び日本骨髄腫患者の会での講演多数

Information

公益社団法人 地域医療振興協会

東京北医療センター

ホームページ

〒115-0053
東京都北区赤羽台4-17-56

TEL.03-5963-3311