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東京医科大学病院

先進性と豊富な実績で
難治性がんの根治を目指す

ポリシーは治療可能なうちに外科に託すこと

がんの中でも難治性が最も高い膵臓がんに対し、数多くの治療実績を持つのが東京医科大学病院だ。

「腹痛や背部痛などで来院し、膵がんと診断された人のうち、約80%は腫瘍切除が不可です。ゆえに、膵がんを早く見つけ、外科に託すのがポリシーです」と話すのは同院の副院長で消化器内科診療科長の糸井隆夫医師だ。同院は膵がん治療の一丁目一番地、診断による“発見”に重きを置く。

 腫瘍マーカーや腹部超音波検査などで異常が見られた場合、造影CT検査や造影MRI検査を加える。さらに同院は超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を駆使する。

「EUS-FNAは小さな病変を見逃しません。内視鏡の先から超音波を照射する構造で、胃や十二指腸の中から超音波を膵臓に向けて検査します。例えば、臓器にある5㍉の病変は今の画像診断やCT、MRIでは発見し難いが、EUS-FNAなら可能。膵臓に腫瘤などの病変があると、直径1㍉ほどの細い針を刺して組織を採取でき、確定診断が可能です」

膵臓がんの予後の悪さは過去の話に

 同院の膵がん治療は先進性と豊富な実績が基盤だ。手術前後の抗がん剤治療にも定評があるほか、施術においては、約10年前から低侵襲で根治性の高い内視鏡外科手術、腹腔鏡下手術とロボット支援下手術を始めた先がけだ。

 依然、膵がん手術の大きな課題が膵液瘻など、重篤化が懸念される術後合併症への対策。同院の消化器外科・小児外科の主任教授、診療科長の永川裕一医師がこう語る。

「膵臓の手術件数が年間20~30以上ある施設は術後合併症率が低く、治療成績も良好です。当科は年間※約150例の膵切除術をする、全国でも有数の施設。もはや、当院では膵臓がんの予後の悪さは過去の話になりつつあります」

 同院は内科と外科が互いに尊重、連携が密接なため、診断から手術への移行が円滑。おのずと、手術件数が蓄積される。

「治療の最後まで両者が一つとなって患者さんを見守るという点では、どこにも負けません」(糸井医師)

※21年9月~22年8月 

消化器内科主任教授・診療科長、副院長、膵臓・胆道疾患センター長 

糸井 隆夫

いとい・たかお●1991年東京医科大学卒業。東京医科大学がん研究事業団理事長など

消化器外科・小児外科主任教授、診療科長

永川 裕一

ながかわ・ゆういち●1994年東京医科大学卒業。日本肝胆膵外科学会理事など

医療新聞社
編集部記者の目

 同院は膵臓がん治療のエキスパートが揃う国内屈指の病院。その高い専門性から生まれる膵がん治療の知見を、世に知らしめる啓蒙活動も欠かさない。同院の医師による講演会をはじめ、杉並区、新宿区、中野区のエリアで開業医と合同の勉強会を開くなどの活動から、膵臓がん治療を牽引しようとする同院の自信がうかがえる。
糸井隆夫副院長は膵臓がん治療において、効果的な抗がん剤の開発が急務と語る。課題を次々に見つけていく、この先見性こそが同院の強みともいえる。今もなお率先して診断にあたる糸井医師はとにかくバイタリティーに溢れている。なおかつ、歯切れよく丁寧に疾患を解説する姿は、患者の信頼を得るのに十分な素地だ。
 同院には膵臓がん治療の最後の砦といわれるゆえが、そこかしこにある。

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