• 愛知県

藤田医科大学ばんたね病院

ロボット支援下手術システム の導入で
グレードアップした人工関節センター

幅広い年代層の下肢関節疾患の治療に尽力

 名古屋市中川区の藤田医科大学ばんたね病院は、高度な医療を提供する大学病院と、地元密着型の総合病院の両面を併せ持つ医療機関だ。8つの治療センターを設けているが、そのうちの一つが人工関節センター。8名の常勤医を擁し、下肢の関節疾患を中心に治療を行っている。

「前職の病院では、50~60歳代が中心でした。50~60歳代の患者さんは、『まだ働きたい』とか、『定年後の生活の質を高めたい』といった理由で積極的に手術を受けるのですが、当院で入院加療している患者さんの半数は80歳代。手術を怖がる方が結構多い。受診をためらい、下肢関節の疾患によって動けなくなってから、家族の方が車椅子で当院まで連れてこられるケースも多いんです」と金治有彦人工関節センター長。「異常を感じたら、できるだけ早く受診してほしい」と呼びかける。

 また一方で、小児整形外科の患者も多数受け入れている。さまざまな年齢層の幅広い疾患に対応できるのが大きな強みだ。

  • 新棟完成予定は2023年8月

手術支援ロボットの導入でより精度の高い手術が可能に

 同院では、膝関節用と股関節用の手術支援ロボットを1台ずつ導入。これにより、人工関節置換術の手術数が大きく伸びた。特に股関節においては、導入前の2021年には1~12月で22件しかなかった股関節の人工関節手術が、2022年1~12月では、136件にまで増えた。2023年は、200件を超すペースで進んでいるという。もともと、股関節の人工関節置換術は、患者の負担をできるだけ軽くするためにMIS(関節包靭帯を温存した最小侵襲手術)で行っていた。さらに手術の精度を上げるために、ロボット支援手術システムに強い関心を持っていたが、MISができる手術支援ロボットがなかった。

「ところが海外の開発グループからMISで股関節の人工関節置換術ができる新規ロボットが開発され、日本に導入されるという情報が入り、2022年に導入しました。これによって、患者さんの負担が軽いまま、手術の精度を上げることができました」と金治センター長は熱く語った。

  • 金治有彦人工関節センター長と手術支援ロボット

 手術支援ロボットは今後さらに新たな機能を加えてくるだろうから、術者の手技もバージョンアップしていかなければならないとも語る。今後も研鑽を積み重ね、より精度の高い手術治療を提供していく。

Information

藤田医科大学ばんたね病院

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