• 三重県

松阪市民病院

ダビンチ手術と連携がもたらす
先進的な呼吸器疾患の治療体制

緊密な連携がもたらす優れた治療体制

 松阪市民病院は、日本の歴史と文化が息づく場所として知られる松阪城跡に隣接する位置にあり、地域の健康と医療を担う重要な施設として認知されている。特に、呼吸器疾患治療において積極的に取り組み、高度な医療技術を駆使して患者のケアに貢献しているのが呼吸器外科だ。

 呼吸器外科は呼吸器内科と一体となり、呼吸器センターとして連携を組み、週1回の定期的なカンファレンスも実施している。呼吸器外科3名、呼吸器内科8名の合計11名の医師で強固な体制を築く。高齢者や肺機能の低下などの状況に基づき、呼吸器内科が呼吸器の改善を図るための治療を提供し、手術を受ける患者の状態を最適化することが可能だ。また、正確な診断を得るために、病理科や放射線科の他科との連携も重要視している。

幅広い呼吸器疾患への総合的アプローチ

 呼吸器外科科長の樽川智人医師は、同科の取り組みの重要性について次のように語る。
「患者さんに安全な手術を提供することを追求し、正確な診断を行い、適切な治療を計画して病気を確実に治療する役割が重要だと考えています」

 患者の健康状態を最優先に考え、緊急性の高い症例から慢性的な疾患まで幅広い症例に対応している。患者にとって最適な治療法を選択し、包括的なケアを提供することを目指す。さらに、最新の医療技術と設備を駆使しながら、患者の健康を回復・維持するための努力を惜しまない。手術を必要とする際には、精密な手技と緊密なチームワークが重要視され、患者の迅速な回復をサポートしている。

 肺がん、気胸、縦隔腫瘍、良性腫瘍、胸壁腫瘍、胸部外傷など、呼吸器疾患全般にわたる手術や治療を実践。特に、肺がんに対する手術は多く、体への負担が少ない術式を積極的に採用している。

「患者さんの状態や症例に応じて適切なアプローチを選ぶ際に、ダビンチ手術や単孔式胸腔鏡手術、または開胸などの手術方法を検討し、これらの選択肢を適切に組み合わせています。呼吸器外科では、手術に積極的に取り組み、多様な術式を選択しています」と樽川医師は術式の多様性を強調する。

  • 呼吸器疾患の適切な手術の取り組み

革新的なダビンチ手術による肺がん治療

 2022年8月にダビンチを導入。年間60例から70例ほどのダビンチ手術を実施しており、現在では7割近くの肺がん手術を行っている。ダビンチ手術は開胸せず小さな傷のみで行うため肋骨の負担が少なく術後の疼痛が軽いので、術後の回復が早いというメリットがある。

「ダビンチ手術の最大のメリットは、3次元で拡大しながら、微細な部分まで視覚的に捉え、手術を行えることです。また、ロボットアームは手の震えがないため、より精密な手術が可能です。これらのメリットを活かし、積極的にダビンチ手術を実施しています」と呼吸器外科部長の伊藤温志医師は利点を話す。

続けて、呼吸器外科の加納收医師は呼吸器外科医療の進歩について次のように述べる。

「薬物治療や手術的アプローチは急速な進歩を遂げています。呼吸器領域では、免疫チェックポイント阻害薬や遺伝子変異への対応など多くの薬剤が登場し、進行した肺がんにも効果を発揮してきました。近年では、これらの薬剤を手術と組み合わせることで、化学療法後に手術を施行したり、手術後に薬物療法を行ったりすることが、患者さんの予後に良い影響をもたらすという報告が増えています」

 最後に、呼吸器外科で活躍し続ける3名の医師が次のように結んだ。

「呼吸器センターでは、内科と外科が連携し、診断から治療までを患者さんの生活の質を損なわないように心掛けています。今後もこの方針を貫き、患者さんの不安に寄り添います。肺がんが疑われる場合は、迷わず呼吸器センターにご相談ください」(樽川医師)
「患者さんが当院で治療を受けて良かったと感じ、信頼を寄せていただける医師になりたいと考えています。この思いを胸に、良質な治療を提供し続け、努力を惜しまない所存です」(伊藤医師)

「三重県の中で、とても優れたセンターに勤務させていただいていることを光栄に思っています。良い治療を提供し続けるとともに、日々学びを積み重ね、得た知識を三重県、松阪市、そして全国の患者さんに還元できれば幸いです」(加納医師)

  • ダビンチロボットを操作して手術を実施

呼吸器外科部長

伊藤 温志

呼吸器外科科長

樽川 智人

呼吸器外科医師

加納 收

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