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一般財団法人同友会

藤沢湘南台病院

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まるで絵を描くように
滑らかに、腫瘍を切除

輸血が不要になるほどに低侵襲治療を実践

 神奈川県藤沢市にある藤沢湘南台病院は藤沢市北部を中心に綾瀬市、寒川町、大和市南部、横浜市西部などを診療圏にする急性期病院だ。同院は2019年に内視鏡下手術支援ロボット「ダビンチ」を導入、ロボット手術センターを立ち上げた。

「腹部に開けた小さな穴から低侵襲治療が可能な腹腔鏡手術、患部を間近に見て鉗子が動かせる開腹手術、両手術のいいとこ取りをした手術」と話すのは同院の副理事長兼副院長の鈴木紳祐医師だ。

「開腹手術に比べ、前立腺がんの手術時間は従来の約4時間から平均約2時間半と短くなりました。出血量も減少。以前は約600CCの血液を用意していましたが、現在、輸血は必要ありません」と顕著な低侵襲に言及する。

周囲の大事な神経を損傷せず、腫瘍の剥離が可能

 鈴木医師によれば、ロボット支援下手術は大腸がんの治療に最適な手術だという。
「特に直腸は骨盤の非常に狭い空間にあります。その周囲には排尿や生殖の機能を司る神経もあります。手術の際、それらを傷つけると、勃起や射精ができなくなったり、尿失禁を引き起こすこともあります」と緻密と繊細さが求められる手術なのだ。
「これらのリスクを避けるため、臓器同士の間にカメラを固定できるのが強みです。それが映し出す患部の映像が明瞭で、まるで絵を描くように、切りたい箇所をなぞるようにして腫瘍を剥離できるからです。神経損傷や排尿障害のリスクも減らせるなど、術後のメリットは明らかです」と大きくうなずく。

 今後のロボット手術センターのあるべき姿について、鈴木医師は「自分の治療法などが旧態依然としていないか常に注視して医療を提供したいですね。現状より秀でた治療は何で、それと私たちが実践するものに差はあるのか。もしあれば、その溝を埋めるために私たちは何を導入すべきかを、院内で話し合っています」と語った。

副理事長
副院長 

鈴木 紳祐

医療新聞社
編集部記者の目

 同院の副理事長兼副院長の鈴木紳祐医師がロボット手術を熱心に解説する姿が印象的だった。医療技術の進歩に取り残されてはいけないという貪欲ささえ感じた。
「胃の中に蛙になってはだめだとの思いが強いですね。そのため、私はいろんな研究会や学会に行き、時にはいろんな人から批判を浴びながら、自身をブラッシュアップしています」と向学心が旺盛だ。
「絶えず、批判に耳を傾けていれば、自分のやり方が時代遅れになることはまずありません。また国内にばかり目を向けていると、海外で始まった新しい治療に気づかないことさえあります。それらをいち早く知るために常に医療の情報に向けてアンテナを張り、感度を良くしておくことが大事なのだと思います」
 鈴木紳祐医師は医療の知識や技術をアップデートさせながら、さらに地域医療に貢献していく構えだ。

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