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医療法人双樹会

よしき往診クリニック

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人と人、心と心を結びつけ
かけがえのない在宅医療を実践

コロナ禍で自宅療養者に対する本格的な訪問診療を展開

人と人、組織と組織、心と心を結びつけてきた。京都市西京区山田四ノ坪町の「よしき往診クリニック」(守上佳樹院長)の行動原理は「結合」に尽きる。

 西京区を中心とした約40万人の医療圏で、24時間365日、全疾患対応型の在宅医療施設として満足度の高い在宅医療を提供するとともに、在宅医療システムの向上・普及に取り組んできた。

 新型コロナウイルス感染症が猛威を奮った2021~22年には医療・福祉関係者を糾合し、同感染症の自宅療養者に対する本格的な訪問診療を展開。行政・保健所とも連携し、広範なネットワークをつくりあげた。

 後に社会貢献活動を顕彰する「鎌田實賞」を受賞した際の「授与の辞」には「コロナ禍においては信頼を基軸とした『超法人連携』を掲げ、コロナ往診チームKISA2隊を旗揚げ。地域医療機関、地域行政、地域医師会などの接着作用を持つその活動は京都から大阪、関西から全国へ広がり、(略)設立から約2年で全国19都道府県26箇所に及ぶ広域連携活動の礎となった」と述べられている。

 守上医師は京都大学医学部附属病院、民間の総合病院などを経て、2017年4月、よしき往診クリニックを開業。またたく間に京都府内屈指の在宅医療施設へと育て上げた。特に重症個人居宅患者への対応には定評がある。

朝夕にカンファレンスを実施し、情報共有を徹底

 同クリニック急成長の理由は主に4点ある。

 1つ目は分厚いチーム医療の実践だ。医師、看護師、スタッフ全員が患者さんの状態を把握するため、1日2回の情報共有を徹底している。

「朝のカンファレンス」では当日、訪問する患者さんの病状、必要な処置、処方、家族への伝達事項などを、「夕方のカンファレンス」では訪問診療の報告、今後の医療処置の検討、 多職種での対応策の協議などを行い、きめ細かな医療サービスを提供している。

「特に、がん患者さんは抱えきれないくらいの悲しみ・絶望感を持たれています。日々、自身でできることも少なくなってくる。でも、医療や日常生活に関しては助けてくれる組織・サービスがあります。患者さんや家族が悩みを抱え込まないよう、傾聴・配慮に力を入れています」(守上医師)

 時には気がついたスタッフが部屋を掃除するなどして、患者さんが心地よく過ごせるよう気を配る。

 2つ目は地域の歯科医師、ケアマネジャー、訪問看護ステーション、薬局、リハビリテーション、デイサービス施設などとの多職種連携はもちろん、基幹病院、大学病院、地域医療機関と密な連携をとることで、地域ぐるみの在宅医療を実践していることだ。

「連携を深めることで、患者さんや家族の満足度が高まるだけでなく、第三者からの忌憚のない意見・評価が伺えますし、当院のことを情報発信してくださるようになる。いろいろなメリットがあります」(守上医師)

「痛みのコントロール」「緩和ケア」に全力

 3つ目は「痛みのコントロール」「緩和ケア」に全力を挙げていることだ。現在、日本人の約8割は病院で最期を迎える。ところが、厚生労働省の調べによると、「自宅で最期を迎えたい」と考える人が75%を超えている(「人生の最終段階における医療に関する意識調査」)。そのネックになるのが、さまざまな痛み。

「痛みがなければ、多くの人が最期まで家で過ごしたいんです。幸い、ここ5年ほどで優れた薬剤が増えてきました。投与経路も点滴、服用、貼り薬など多種多様。ただし、細かい調整が必要で、今週は服用だったが、翌週は経口が難しくなったので、貼り薬に変えたり、舌から吸収するものに変えたり。ひたすらテイラーメイドです。一人ひとり、かけがえがありませんから、この上なく真摯に取り組んでいます」

 4つ目は「家族へのケア」に力を注いていることだ。家族から見ると、大半が初めての経験で不安が多い。「病院と同じ治療が受けられないのではないか」などの疑問もある。

「医療機器の小型化などにより、病院の検査・治療とほとんど同じレベルで対応できます。末期がんの場合、延命措置を選ぶのかどうかを決定しなければいけませんし、余命の見通しをお伝えする必要もあります。家族とのコミュニケーションに力を入れ、不安の解消に努めています」

と守上医師は結んだ。

院長

守上 佳樹

もりかみ・よしき●六甲学院高校55期生、広島大学学校教育学部卒業を経て金沢医科大学卒業。京都大学医学部附属病院研修後、同大学老年内科医局を経て現職。京都府警西京警察署警察医、京都市立松陽小学校学校医

Information

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〒615-8262 京都市西京区山田四ノ坪町12-2

TEL.075-381-2220

訪問診療時間:10:00~17:00

診療日:月~金、第二、第四土曜日

休診日:日、祝日

かかりつけ患者は全疾患24時間365日対応

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