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医療法人SIRIUS

いしが在宅ケアクリニック

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連携を重視した「四日市モデル」を確立し
「在宅医療革命」をリードする西日本の雄

三重県四日市市が起点となって、「在宅医療革命」が進展、在宅医療の現場を大きく変えつつある。

その牽引役を務めるのは石賀丈士理事長が率いる、いしが在宅ケアクリニック。2009年7月に開院され、2023年7月時点で常勤医師12名、非常勤医師3名を含めた総スタッフ数62名、月間訪問患者数818名(同年7月)、累計訪問患者数6055名、年間在宅看取り数520名※、累計在宅看取り数4061名の診療実績を持つ、国内有数の在宅医療施設へと発展した。

 石賀医師は大阪府の出身。原点となったのは浪人時代の祖母の死だった。祖母は晩年、認知症を発症、「私の孫は医者となって地域に貢献している」と誇らしげに語っていた。大好きな祖母の死をきっかけに志望を医学部へ変更、三重大学医学部に入学した。

 大学病院で実習した際、末期がんで苦しむ患者を前にして、「なんとかできないか」と緩和ケアを独学で学び、在宅医療の道を志した。介護と緩和ケアの現場を知ろうと、四日市の診療所で所長を務めた後、独立を果たした。

 2020年3月には「在宅医療の城」ともいうべき新社屋が完成した。正面はガラス張りで、内部は広々。小児向けのすべり台やスタッフがくつろげるカフェスペースなどもあり、患者やスタッフの笑顔が印象に残る。

「四日市モデル」を提唱し地域の在宅医療の底上げに貢献

 同クリニックの第1の特色は質の高い医療サービスを提供していることだ。「医療は、いのちに関わる究極のサービス業。痛みや呼吸困難のない、穏やかな生活を実現するための緩和ケアの技術がなければ患者さんや家族の信頼は得られません」と石賀医師は話す。時間外の着信コールはすべて当番医が担当するほか、朝の訪問予定時間確認の電話も医師が行う。

 医師と看護師の2人、もしくは医師、看護師、アシスタントの3人で訪問。女性が同行することで、話しやすい雰囲気をつくっている。平均の訪問診療時間は30分。患者の笑顔が見られるまで腰を据え、石賀医師に至っては最長4時間も話したことがある。訪問リハビリや管理栄養士による食支援も行っており、在宅看取り率は高い。

 第2の特色は地域医療機関や訪問看護ステーション、介護施設などとの連携を大事にしていることだ。開業医との「すみ分け」効果も大きい。「当院が末期がんや難病を担当し、地域医療機関には脳梗塞の後遺症や認知症をお願いするかたちにしました」。これを「四日市モデル」といい、地域全体の在宅医療・在宅看取りの普及につながった。

  • 看護師ルームも笑顔があふれる

クリニック卒業生・研修生が全国6カ所で活躍

 第3の特色は教育・研修に力を入れていることだ。新社屋も中部・近畿地方の在宅医の研修拠点とするべく建てられた。合わせて同クリニック勤務医師の独立を支援、県内ではいなべ市、亀山市、松阪市に在宅医療施設を開業させた。2024年4月、鈴鹿市にいしが在宅ケアクリニック鈴鹿を開院予定。いしがファミリーで県内の大半をカバーできるようになる。

 第4の特色は脱炭素と社会貢献に力を入れていることだ。新社屋は100%再生可能エネルギーを使っており、鈴鹿分院もソーラーパネル一体型屋根で自給自足体制を敷く。また、訪問診療・往診1回あたり100円寄付運動、講演会や小中学校での「いのちの授業」などを通しての在宅医療や環境問題に対する啓蒙活動を行っている。

 同クリニックの八面六臂の活躍を目にして、筆者は「活躍を一番喜んでおられるのは亡くなったおばあさまです」と申し上げて、クリニックを辞去した。

※2022年7月~2023年6月

理事長

石賀 丈士

いしが・たけし●2001年、三重大学医学部卒業。同大学医学部付属病院第二内科、山田赤十字病院(現・伊勢赤十字病院)、しもの診療所所長などを経て、09年、いしが在宅ケアクリニックを開設。10年、医療法人SIRIUS理事長に就任。

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