• 大阪府

大阪整形外科病院

患者様が求める
人工関節置換術を目指して

各分野のエキスパートが 患者の不安解消に努める

 大阪整形外科病院は大阪市北西部の福島区を中心に骨や関節、筋肉、神経などの運動器疾患を診断、治療している。2020年12月に、同区福島から大開に新築移転した。同時に院名を改称、手術室を3室に増やし、新病院としてスタートした。

「手術を必要とするものから骨粗鬆症などの身近な疾患まで、幅広く診察しています」と話すのは、同院の理事長兼院長の岩城啓好医師だ。

「早く診断することを心がけています。整形外科領域は重篤なものもあれば、心配に及ばない疾患もあります。私たちがいち早く、その線引きをして、一人でも多くの不安を取り除きたいのです」と岩城院長は患者の心のケアを忘れない。

両側同時実施を 積極的におこなう

「全ての患者さんから、この病院で治療を受けて良かったと言ってもらえるのが目標です」と、整形外科医局長・人工関節センター医長の槇孝俊医師は笑顔を見せる。

「股関節の軟骨が摩耗して痛みが生じる変形性股関節症は、多く見られる疾患です。治療法の1つに全人工股関節置換術があります。当院ではALSという、股関節に前方からアプローチする方法を用います。これは置き換えたインプラントが脱臼しにくく、術後、それほど時間を要さずに、しゃがんだり、正座ができることがメリットです」(槇医師)

 仰向けで施術するALSの利点について言及する。
「変形性股関節症は左右の股関節が同様に悪化することがあります。左右別々の時期に手術をおこなうと治療期間の長期化が懸念されますが、ALSの場合、仰向けで手術するため、左右同時に施術できます。ALSは筋肉を切らず、筋肉の間から手術するMIS(最小侵襲手術)のため出血が少量で、筋力の回復が比較的早いです。手術翌日から歩行訓練が可能です」(槇医師)

  • 股関節の人工関節置換術
  • 膝関節の人工関節置換術

人工関節置換術後も 継続的に患者様をケア

 人工関節センター医員の谷口慎一医師は治療計画を練る際、臨機応変さも忘れない。

「手術は歩行時に関節に痛みがあるか否かを確かめ、患部の画像を診て実施を判断します。ところが、診断画像から関節の変性が判明したのに、歩く時に痛みはなく、日常生活にも困らないという方もいます。その時は『リハビリをやりましょうか』と提案します。各術式のメリット、デメリットを説明し、患者さんに選んでもらうのが一番だと思います」(谷口医師)

 谷口医師は治療とは一過性ではないとも強調する。患者への術後管理の重要性を語る。

「術後、患者さんには定期的に来て頂いて、リハビリによる改善具合を確認します。さらに、ご自宅でお伝えした通りに機能回復訓練ができているのかを確かめます」(谷口医師)

 さらに谷口医師は、整形外科医が役割を全うすることの大切さを訴える。

「人工関節置換術の後は長期にわたり、患者さんへのケアが必要です。当院では3カ月後、6カ月後、1年後、それ以降も定期的に診察をしています。人工関節は患者さんの体内に一生入っているからです。人工関節のゆるみなどもチェックしないといけません。点検に終わりはないと思います」(谷口医師)

 同院は入院患者への気配り、配慮にも定評がある。病棟を管理する鏡看護師長は、手術を控えた患者への気遣いが大切だと話す。

「時にはユーモアを交えてお話などをすることで、できるだけ安心して、リラックスして手術に臨めるように心がけています」

 治療から心のケアまで努力を惜しまないのが同院の特徴なのだ。

文/星裕一朗

院長

岩城 啓好

いわき・ひろよし●医学博士。1991年に大阪市立大学医学部卒業。ロンドン大学で3年間医師として働き、帰国後、大阪労災病院整形外科医長、大阪市立大学整形外科准教授などを経て、2013年より現職。

整形外科医局長 
人工関節センター医長

槇 孝俊

まき あつとし

医員

谷口 慎一

たにぐち しんいち

医療新聞社
編集部記者の目

「みなさん不安なんですよ。患者さんは、自分の疾患に対してどんな治療があるのか分からないから」と岩城院長が開口一番に語った。この言葉に呼応するかのように、医師やスタッフが骨や関節に悩む人々の心に寄り添う。どう解消すべきかの解決策を見出そうとする姿が印象的だった。
「その一つとして、私は初診の時、現状、これだけ治療法があり、こういう治し方を選べると詳細に説明します」と岩城院長自ら、来院者を路頭に迷わせないよう努める。
「重要なのは整形外科領域で、できないことを作らないことです。手術やお薬、リハビリ、再生医療まで可能な療法を全て提示して十分に検討していただき、選んでもらいます。納得して治療に進んでもらえば、不安の払拭が期待でき、疾患の改善に前向きに取り組んでもらえるはずです」(岩城院長)
 治療と同様、心のケアも極めて大事だと改めて学んだ取材だった。

Information

大阪整形外科病院

ホームページ

診療科目:整形外科、リハビリテーション科、内科、放射線科、リウマチ科、 麻酔科 (山下智之)

病棟種別:一般病棟98床

受付時間:午前9:00〜12:30 午後13:30~17:00 

休診日:土午後・日・祝・年末年始

〒553-0007
大阪市福島区大開4丁目3-61

TEL.06-6463-1111