• 福島県

一般財団法人 脳神経疾患研究所 附属

南東北がん陽子線治療センター

広い対象疾患。局所進行がん、
放射線治療後の再発がんにも対応

2008年10月に開院し、2023年12月までに7357名の患者さんに陽子線治療を行ってきました。当センターには3つの特徴があります。

第1の特徴は対象疾患が広いことです。特に最近は保険診療化された、肝臓、肝内胆管、前立腺、膵がんが増加しています。その他、肺、頭頚部、食道、骨軟部領域とほぼ全身の悪性腫瘍を対象としています。

 第2の特徴は早期がんだけではなく局所進行がんに対しても、積極的に根治的陽子線治療を適用していることです。その場合、化学療法の併用、中でも抗がん剤の動脈内注入療法(動注療法)を積極的に活用し、局所制御率の改善を期待しています。また、腫瘍が大腸や小腸などの消化管に隣接している場合には照射前に外科的に、消化管と腫瘍の間にスペーサーを留置する手術を行ってから、陽子線治療を行っています。

 第3の特徴は、放射線治療後の再発がんに対する陽子線再照射にも積極的に取り組んでいることです。治療後の経過観察は長期にわたり入念に行っています。患者さんの多くは、福島県外の方ですので、通院の利便性を考慮して栃木、東京、神奈川、静岡、大阪など5拠点で診察しています。

局所進行膵がん

手術ができない局所進行膵がんに化学陽子線治療で根治を目指す

 膵臓は胃の後ろにある、左右に細長い臓器です。膵がんが早期に見つかれば手術で切除できますが、増大すると膵臓周辺の太い血管を巻き込むため切除できません。肝臓などに遠隔転移がない場合には、当センターで行っている抗がん剤と併用する陽子線治療が良い適応になります。抗がん剤単独で治療するより効果が期待できます。

 なかでも膵体尾部がんの場合は、安全確実な治療を目指して、膵前方にある胃との間にスペーサーを留置する手術との併用で、高線量(80グレイ)を短期間(20回)照射する治療を行っています。

頭頸部がん

口や鼻、喉のがんを切らないで治す放射線治療

 口腔・副鼻腔・咽頭などの頭頸部がんは、外科治療による侵襲が大きく術後の機能障害や整容上の問題が大きな負担となります。当施設ではIMRTやサイバーナイフなど最新の放射線治療装置に加え、特殊な陽子線治療やホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を導入し、「切らないで治す」「切れない腫瘍をも治す」治療を目指しています。また、カテーテルを使った抗がん剤動脈内投与の併用で、副作用を軽減しつつ放射線治療との相乗効果により治療効果を高め、切除困難な局所進行がんにも対応しています。症例数も年間100例(2023年1月〜12月)を越え、国内有数の症例数の多い施設となっています。

南東北がん陽子線治療センター
センター長

村上 昌雄

総合南東北病院 
放射線治療部門腫瘍
カテーテル治療部長

中里 龍彦

南東北がん陽子線治療センター
医長

髙山 香名子

Information

一般財団法人 脳神経疾患研究所 附属

南東北がん陽子線治療センター

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